小山荘のきらわれ者~リターンズ~

小山荘のきらわれ者~リターンズ~

なかじ有紀の『小山荘のきらわれ者』の続編。前作から3年後の小山荘を舞台に展開される、高橋成介と斎藤麻里、松島彰吾と斎藤安古の二組のカップルの恋模様と、それぞれが夢に向かって努力する姿を描いたラブロマンス。「ララ増刊アネララ」2014年10月号から2015年12月号にかけて連載された作品。

正式名称
小山荘のきらわれ者~リターンズ~
ふりがな
こやまそうのきらわれもの りたーんず
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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あらすじ

第1巻

イケメンの高橋成介は、自分が通う大学の女子達から密かに人気を集めていたが、付き合っている斎藤麻里一筋で、ほかの女性には見向きもしなかった。美人な麻里も誘惑が多く、同じ美容院で働く男性からアプローチされるが、成介はそのたびに、相手の前で麻里のパートナーである事を主張し、牽制していた。そんなある日、かつて小山荘に住んでいたエリオット・F・チェンバレンが、仕事の都合で行っていた海外から久しぶりに戻って来て、小山荘はにぎやかになる。一方、松島彰吾は故郷・仙台への帰省に、恋人の斎藤安古を伴い、家族に紹介。彰吾の父親・松島守とあっという間に打ち解けた安古は、彰吾の母校の小学校で地元の友達に紹介され、楽しい時間を過ごす。春になり、チャールズ・ダナ・グラント七美・グラントが結婚20年の節目を迎えた事を知った小山荘の住人は、日頃の感謝を込めて結婚記念のお花見パーティーを開催する。

第2巻

3年前に告白して失恋してからも、千夏・ダナ・グラント松島彰吾への気持ちを捨てきれずにいたが、彰吾からは相変わらず子供扱いしかされず、落ち込んでしまう。そんな中、毎日のようにアプローチして来る北原慶彦を、千夏は冷たく受け流していた。しかし八つ当たりをしても、すべて受け止めてくれる優しい慶彦に対して、千夏は少しずつ惹かれていくようになる。そんな中、かつて小山荘に住んでいた篠崎聡が、モデルとして活躍していたパリからへ日本へ戻って来る。そして、斎藤麻里エリオット・F・チェンバレンの紹介で、1日だけ聡の撮影現場でヘアメイクのアシスタントをするが、麻里の美しさに目をつけたプロデューサーが麻里をモデルに聡と恋人のような演出をした写真を撮る。聡は、かつて思いを寄せていた麻里のかわいさに動揺するが、麻里が一途に成介を思う気持ちを知って、改めて自分の気持ちを封印するのだった。一方、斎藤安古は夢である小学校の先生になるために、母校の教育実習へ赴く。そこで、高浜繭良をはじめとする一筋縄ではいかない小学2年生達と交流した安古は、かけがえのない体験をするのだった。

登場人物・キャラクター

高橋 成介 (たかはし せいすけ)

小山荘の2号室に住む大学3年生の男子。建築家を目指しており、課題に取り組んでいる時は寝食を忘れてしまうほど熱中するタイプ。ぶっきらぼうで愛想がないが、イケメンなので大学内の女子達のあこがれの的。斎藤麻里と付き合っており、彼女を心から愛し大切にしているため、高橋成介自身はほかの女性にまったく興味がない。

斎藤 麻里 (さいとうまり)

小山荘の3号室に住んでいる女子で、高橋成介の恋人。斎藤安古とは二卵性双生児で、妹にあたる。美容師を目指し、美容室で働いている。建築家を目指している成介の夢を応援しており、夢中になると周りが見えなくなる彼の事を心配しながら見守っている。美人なのでなにかと異性からの誘惑が多く、篠崎聡、高浜繭良から片思いされているが、斎藤麻里本人はまったくその事に気づいていない。

松島 彰吾 (まつしま しょうご)

小山荘1号室に住む大学3年生の男子。絵本や児童書をこよなく愛しており、児童書の編集者になる事を夢見ている。亡くなった母親にそっくりなかわいらしい顔立ちをしており、異性からも人気があるが、一途な性格で恋人の斎藤安古一筋。周囲に気遣いができる優しい性格なため、同性からの人気も高い。高橋成介にとっては唯一無二の親友。

斎藤 安古 (さいとう あこ)

大学3年生の女性で、松島彰吾と付き合っている。斎藤麻里とは二卵性双生児で、姉にあたる。将来の夢は小学校の教師になる事。料理がうまく、腕前はプロレベル。しっかり者に見えるが、ちょっとドジな一面もある。

千夏・ダナ・グラント (ちなつだなぐらんと)

大学1年生の女性で、チャールズ・ダナ・グラントと七美・グラントの一人娘。子供の頃から父親同士が親友である事から、松島彰吾にあこがれていた。趣味はお菓子作り。明るくてしっかり者で、健気なところがある。

北原 慶彦 (きたはら よしひこ)

大学3年生の男子。演劇に青春を燃やしており、俳優を夢見ている。高橋成介、松島彰吾とは同じ高校で、その頃から千夏・ダナ・グラントに長い片思いをしている。いつも明るく、仲間内のムードメーカー的な存在。

篠崎 聡 (しのざき さとし)

かつて小山荘に住んでいた男性。高校を卒業っすると同時にモデルとしてパリに渡り、活躍していた。モデルの仕事のため、再び日本へ戻って来た。斎藤麻里に片思いをしていたが、麻里が高橋成介を一途に思っている事を知り、身を引いた。

チャールズ・ダナ・グラント (ちゃーるずだなぐらんと)

小山荘のオーナー兼管理人を務める男性。千夏・ダナ・グラントの父親で、妻の七美・グラントにべた惚れしている愛妻家。松島守とは四半世紀も友情が続いている親友同士。感激屋で涙もろいところがある。

七美・グラント (ななみぐらんと)

チャールズ・ダナ・グラントの妻で、千夏・ダナ・グラントの母親。料理が大好きで、小山荘の料理番を務めている。小山荘の名前は、七美・グラントの旧姓から名付けられている。

松島 守 (まつしま まもる)

松島彰吾の父親。かつて仕事で海外に赴任していたが、現在は仙台に住んでいる。結婚が早かったため、大学生の子供を持つわりに若い。さらにイケメンなので女性から人気があるが、妻に先立たれてからは独り身を貫いている。

エリオット・F・チェンバレン (えりおっとえふちぇんばれん)

かつて小山荘に住んでいた男性で、ブランドのデザイナーをしている。通称はエリー。仕事の都合で海外に行っていたが、再び小山荘に戻って来た。以降、以前と同じ6号室で暮らしている。松島彰吾の事が好きで、なにかとちょっかいをかけては千夏・ダナ・グラントに叱られているお騒がせな人物。

高浜 美奈 (たかはま みな)

小山荘の5号室に息子の高浜繭良と共に住んでいる女性で、モデルクラブを経営している。美人で、仕事熱心な頑張り屋。

高浜 繭良 (たかはま まゆら)

小山荘の5号室に母親の高浜美奈と共に住んでいる小学2年生の少年。斎藤麻里の事が好きで、高橋成介に対してライバル心を抱いている。

板垣 勝己 (いたがき かつみ)

高橋成介の父親で、有名な建築家。若い頃から女性にモテており、成介の母親とは不倫関係にあった。本妻とのあいだに成介と同い年の息子がいる。家族を大切にするかたわら、成介の事も大切に思っている。

桜井 (さくらい)

小山荘の4号室に住んでいる男性で、タクシードライバーをしている。口ひげを生やした気さくで和やかな人物だが、その私生活は謎に包まれている。

場所

小山荘 (こやまそう)

神戸にある下宿屋で、チャールズ・ダナ・グラントが経営している。「小山荘」という古めかしい名前は、愛する妻・七美・グラントの旧姓から取ったもので、建物の外観は名前とは裏腹にハイカラなもの。1階では喫茶店を営んでいる。

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