恋ばっかりの世界でわたしはキミと

恋ばっかりの世界でわたしはキミと

恋バナで盛り上がる周りと温度差を感じている女子中学生が主人公。恋と友情の間で揺れ動く、女子中学生達の姿を描いた恋愛青春ストーリー。「りぼん」2018年5月号より連載。

正式名称
恋ばっかりの世界でわたしはキミと
ふりがな
こいばっかりのせかいでわたしはきみと
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概要・あらすじ

森下ちえりは、中学2年生の女子。ちえりには、桃井乙桜須藤一果という二人の親友がいた。彼女達との出会いは、中学生になりたての頃だった。急に周りが"恋バナ"一色になった事に戸惑っていたちえりは、同じ気持ちを抱いていた二人に出会ったのだ。以来、三人はいつも一緒。恋愛なんて無関係な親友同士だった。そんなある日の放課後、いつものように三人で公園に行くはずだったが、乙桜が生徒会の用事でダメになったという。

ちえりと一果は、結局公園に行かず、教室でおしゃべりしていて遅くなってしまった。二人は、乙桜がまだいるかもしれないと、生徒会室へと向かう。廊下から中を覗いた二人は、驚くべき現場を目撃する。乙桜が、生徒会長の男子とキスをしていたのだ。

言葉をなくしてその場を走り去る二人。翌日、乙桜に話を聞くと、2年になってから生徒会長である先輩と付き合っているのだという。友達だから応援しなきゃと、笑って乙桜に接する二人だったが、少しずつ気持ちがずれていくのを感じていた。「乙桜の一番は、もう自分達ではないかもしれない」そんな思いが脳裏をよぎるのだ。それからしばらく後、乙桜が生徒会の用事で、やはり公園に行けないといって教室から出ていった。

乙桜が、恋愛しながら「恋バナなんて関係ない」と言っていたのは裏切り行為じゃないだろうか。一果が、そんな疑問をちえりにぶつける。ちえりはためらいながらも、つい「ちょっとそう思う」と口にしてしまうが、忘れものを取りに戻った乙桜に、その言葉を聞かれてしまう。

乙桜は、その場を走り去った。ちえりは「謝らなきゃ」と思いながらも、なぜ謝るのかがわからなくなっていた。口に出した言葉は間違いなく本心だったからだ。翌日、ちえりは、乙桜が他の女子に絡まれているのを目撃する。乙桜が生徒会長と付き合っている事に対する嫉妬だった。いじめにあう乙桜を、オロオロと見つめていたちえりの背中を押したのは、幼なじみの男子生徒、小林葵だった。

「ちえりの一番大事とはそんなものか」という葵の言葉に気付かされ、ちえりは乙桜を助けにいく。いじめていた女子達の前に立ちはだかったのは、ちえりだけではなかった。一果も同時に行動していた。三人は一緒に逃げた。そしてちえりは乙桜に、本当は寂しかっただけだと謝る。一果も同じ気持ちだった。

乙桜も、皆との中を壊したくなくて、先輩とつきあっている事を言えずにいた事を告白した。こうして自分達の気持ちを確かめあった三人は、再び固い絆で結ばれるのだった。

登場人物・キャラクター

森下 ちえり (もりした ちえり)

中学2年生の女の子。茶色のストレートヘアと、揃った前髪が特徴。恋愛話でいじられるのが、大の苦手。1年生の時に出会った、桃井乙桜、須藤一果とは親友で、お互いがいちばん大切だと思える仲。隣の家に住む、小林葵とは幼なじみで、性別を意識せずに付き合える数少ない男子。

桃井 乙桜 (ももい さくら)

中学2年生の女の子。森下ちえり、須藤一果とは中学1年生の頃に出会い、親友となった。ツインテールにまとめたピンク色の髪が特徴。おっとりとした性格。もっとしっかりしようと考え、生徒会に入る。2年になってから、先輩である生徒会長とつき合うようになった。

須藤 一果 (すどう いちか)

中学2年生の女の子。森下ちえり、桃井乙桜と、中学1年生の時に出会い、意気投合して親友となった。ショートカットヘアとパーカーが特徴のバスケット少女。男勝りで、気が強い一面がある。

小林 葵 (こばやし あおい)

森下ちえりの隣の家に住む、幼なじみの男の子。幼稚園の頃から家族ぐるみの付き合いで、兄妹のように仲がよい。ちえりと同じ学校に通う中学2年生。

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