憂国のラスプーチン

憂国のラスプーチン

ソ連からロシアに変わる激動期、専門職外交官の憂木衛は北方領土問題に尽力するが、国策捜査により逮捕され無実を訴え続ける。原作者佐藤優の実体験がストーリーのモデルになっている。

正式名称
憂国のラスプーチン
ふりがな
ゆうこくのらすぷーちん
作者
ジャンル
自伝・伝記
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概要・あらすじ

専門職外交官として活躍し、外務省のラスプーチンと呼ばれていた憂木衛が、ある日、東京地検特捜部に逮捕された。それは、身に覚えのない罪だった。ソ連、ロシア政権上層部に最も食い込んだ西側の外交官であり、北方領土返還に力を尽くしてきた憂木衛と、特捜部エリート検事との過酷な闘いが始まった。

登場人物・キャラクター

憂木 衛 (ゆうき まもる)

京都の私立大学院で神学を専攻し、日本の専門職外交官に就く。2年間の研修後、モスクワの日本大使館に勤務し情報分析官をしていた。北方領土問題の解決の為、力を尽くすが国策捜査の名のもと、背任容疑で逮捕されてしまう。クリスチャン。モデルは原作者である佐藤優。

都築 峰雄 (つづき みねお)

北海道出身の与党大物政治家。憂木衛とともに北方領土問題解決に力を尽すが、国策捜査の対象となり逮捕されてしまう。逮捕後も連続当選するなど人脈は厚いが、最高裁判所で有罪となったため、失職する。モデルは実在する政治家の鈴木宗男。

後藤 亮 (ごとう りょう)

東大法学部卒、日本外務省のキャリア官僚。憂木衛が、モスクワの日本大使館で同じ政務担当の二等書記官として机を並べた後輩。語学が堪能で後にロシア支援室総務班長に異動。北方領土返還に向け動いていたが、憂木衛と同じ容疑で逮捕された。東京地検の捜査では憂木衛が不利になる証言をする。

ブルブリス

国務長官を務め、エリティン大統領の側近として支える。ドイツ語が堪能で、能力主義者。「私は馬鹿が嫌い」が口癖。憂木衛の洞察力を買い、憂木衛とは家に招待するほど親しくなる。憂木衛に、「自分勝手で良いが、人を裏切ってはいけない」と教える。

高村 貴史 (たかむら たかし)

逮捕された憂木衛の担当検事。憂木衛を落とそうと、徹底的に攻撃する。能力が高く、冷徹なプロ。憂木衛に手こずりながらも、最終的には二人の間にある感情が芽生える。

イリイン

ロシア共産党第二書記の男性。ソビエト連邦大統領ゴルバチョフが失脚した際、憂木衛が接触して直接ゴルバチョフの生存情報を聞いた。

室田 (むろた)

都築峰雄の代理人である弁護士の男性。憂木衛が逮捕された際、指名して検察との戦い方を聞く。

赤川 (あかがわ)

憂木衛を担当する女性弁護士。元検事。都築峰雄の代理人弁護士の室田から紹介される。憂木衛との面会に足を運び、憂木衛からさまざまな話を聞く。

今田 英明 (いまだ ひであき)

三つ葉商事の社員。熱意あふれる優秀な商社マンでロシア語が堪能。憂木衛とロシアで出会い友人となった。憂木衛の共犯容疑で逮捕される。

西條 和正 (さいじょう かずまさ)

外務省職員で欧亜局長。極端な能力主義者で無能な部下は切り捨てるが、能力とやる気があればキャリア、ノンキャリア関係なく重要する性格。憂木衛が外務省で一番恐れ、同時に一番尊敬していた上司。

寺内 (てらうち)

外務省ロシア課の課長。典型的な日本の官僚タイプ。憂木衛の元上司で、憂木衛が国際情報局分析第一課主任分析官になった時、「ポストも部下もいらないがお金の使い勝手を良くして欲しい」と交渉し承認された。

有藤 (ありとう)

東大出身の外交官二世で、憂木衛とは入省同期で同じロシア課に勤務。憂木衛の親友であったが、逮捕された憂木衛を断罪するための外務省が作った調査チームの責任者に選ばれる。

ビクトル・イマントビッチ・アルクスニス

憂木衛の知人。空軍予備役大佐でソ連で最も恐れられた政治家。いつも黒いジャンパーを着ていたので黒い大佐と呼ばれる。また、ソ連を全体主義国家に転換しかねない思想の持ち主で危険思想家と言われた。憂木衛と同じクリスチャンで、逮捕された憂木衛を助けるためにロシア国会で署名を集めようとする。

ガブリエル・ゴロデツキー

ロシア通のテルアビブ大学教授で、憂木衛らにより日本に招待される。また、同大学主催の国際学会に日本から人を送る際に外務省関連の国際機関から大金を引きだしたことで憂木衛が背任の罪に問われたため、憂木衛の無実を証明するために来日し、証人として法廷に立った。

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