漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ

漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ

男性を徹底的にいじめ抜くストーリーしか創作できないプロマンガ家志望の成田香澄と、女児向けアニメと下ネタを好む池尻宝介の、一風変わった恋愛模様をシュールに描いたラブコメディ。ちなみにタイトルの「プロレゴメナ」とは、ギリシア語で「序章」を意味する。「トーチweb」2016年3月から2017年12月にかけて配信された作品。

正式名称
漫画として現れるであろうあらゆる恋のためのプロレゴメナ
ふりがな
まんがとしてあらわれるであろうあらゆるこいのためのぷろれごめな
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

プロのマンガ家を夢見る成田香澄は、男性器をズタズタに切り裂く描写など、男性を徹底的にいじめ抜くストーリーしか創作できないことから、なかなかデビューできない状態が続いていた。そんなある日、同じシェアハウスに住む稲葉に会うため、池尻宝介が訪問して来る。しかし、男性嫌いな香澄は、彼に暴行を加えて病院送りにしてしまう。ひょんなことから入院中の池尻のお見舞いに行くことになった香澄は高額な医療費を請求されるのではないかと怯(おび)えていたが、池尻はそこで香澄のマンガ作品を見て、その内容に理解を示す。そして池尻がインターネット上にその作品をアップロードしたことにより、香澄はファンのおじさんや編集者のと出会い、状況は大きく変化していく。人とのかかわり合いの中で、殻を破りたいのであれば恋をするべきだと気づいた香澄は、池尻に偽物の恋人になって欲しいと依頼する。こうして疑似的な交際を続けていくうちに、池尻は本当に香澄を異性として意識するようになる。この状況に怖くなった池尻は香澄のもとから逃げ出し、田舎へと戻ってしまう。そんな池尻を香澄は追うこととなる。

登場人物・キャラクター

成田 香澄 (なりた かすみ)

プロマンガ家志望の女性。年齢は26歳で、現在はアルバイトで生計を立てている。男性に対して嫌悪感を抱いており、マンガも男性器をズタズタに切り裂くような描写ばかりで、男性を徹底的にいじめ抜くストーリーしか創作できない。その影響からかデビューできずにいるが、成田香澄自身は唯一無二の個性だと肯定的に受け止め、まったく変えるつもりはない。同じシェアハウスに住んでいる稲葉の恋人であるムシケラの代わりに、自宅を訪れた池尻宝介に驚き、暴行を加えて病院送りにしたことをきっかけに彼と知り合う。当初は池尻を避けていたものの、マンガを褒められたことから少しずつ会話をするようになる。そして変わった自意識を持っている者同士、急速に親しくなっていく。まじめでおとなしそうな外見から、しゃべらなければ清楚な美人の部類に入る。しかし、実際は極端に思い込みが激しく、浮世離れした言動が多い。また、スマートフォンやパソコンを持っていないため、世間一般の常識にも疎い。創作活動をする際のペンネームは「神宮寺ウエンディ」で、稲葉にはその名前で呼んで欲しいと頼んでいるが、無視されている。

池尻 宝介 (いけじり ほうすけ)

女児向けアニメのコスプレと、下ネタばかりに執着している男子大学生。年齢は23歳。大学の後輩であるムシケラから頼まれ、荷物を届けるために成田香澄と稲葉が住むシェアハウスを訪れたことで、香澄と知り合う。その際に見知らぬ男性が訪問したことに驚いた香澄に、暴行を受けて入院する。当初は男性であることや、高額医療費を請求すると勘違いされたことから、香澄に避けられていた。しかし、偶然にも香澄のマンガを読んで褒めたことをきっかけに、変わった自意識を持っている者同士、急速に親しくなっていく。また、香澄のことは浮世離れしているが、清楚な美人だと思っている。見た目はごくふつうの青年だが、日常生活でもなんのためらいなく、下ネタばかりを口にする。また一般常識にも欠けており、服を身につけずに香澄の部屋を訪れるなど、破天荒な言動が多い。

稲葉 (いなば)

マンガ家志望の女性。成田香澄と同じシェアハウスに住んでいる。香澄の男性嫌いは克服した方がよいとアドバイスをしつつも、それによって生まれる独自の感性は認めている。ムシケラと交際しており、池尻宝介とも知り合い。癖のある登場人物が多い本作の中では唯一の常識人。

ムシケラ

池尻宝介の大学の後輩にあたる男性で、稲葉と交際している。稲葉の住むシェアハウスに荷物を受け取りに行こうとしていたが体調不良に陥り、池尻に助けを求めたことで、成田香澄と宝介が出会うきっかけを作った。物事を深く考えない短絡的な性格で、その場のノリと勢いで判断している。池尻は親しい先輩ではあるものの、尊敬する気持ちはまったくない。

おじさん

高齢の男性。池尻宝介がインターネット上に成田香澄のマンガ作品をアップロードした際、感動してメッセージを送信してきた。香澄にとって初めてのファンになる。香澄に直接感想を伝えたいと、池尻も交えた三人で食事をしようと誘う。香澄に対して恋をするように勧め、池尻を異性として意識させるきっかけを作った。身長が低く、吊りズボンに蝶ネクタイを身につけており、一見幼い男児のように見える。素性はいっさい不明ではあるが言葉に重みがあり、人生経験が豊富であることをうかがわせる。

天宮 飛鳥 (あまみや あすか)

マンガ家を生業とする高齢の女性。成田香澄から尊敬されている。突然自宅を訪問してきた香澄を受け入れ、画力の高さからアシスタントとして雇う。自分を慕う香澄をかわいがっており、個人的な悩みにも親身になってアドバイスを送っている。上品な雰囲気を漂わせたマダムではあるが、取材だと称して道行く人に自分の乳房を触らせようとするなど、破天荒な行動が目立つ。大の酒好きで、ワインのボトルをデスクの周りに飾りつけ、脱稿したら飲めるとやる気を高めている。また、若い童貞の男性が好みのタイプで、池尻宝介のありとあらゆる初体験を奪う。

(とどろき)

webマンガサイトの編集者を務める男性。池尻宝介がインターネット上にアップロードした成田香澄のマンガ作品を見て、ほかにはない独創的な作風に興味を抱き、香澄にコンタクトを取った。まじめで仕事熱心に見えるが、新幹線内で前後不覚になるまで泥酔するなど、一般常識からずれている一面がある。

香澄の兄 (かすみのあに)

成田香澄の5歳年上の兄。幼い頃から友達ができず孤立していた香澄を心配し、香澄の兄自身の男性器を象に見立て、香澄の友達のように振る舞うことで励ましていた。香澄は当時は喜んでいたものの、成長して真実を知った際に大きなショックを受けることとなった。この一件が、香澄が男性を徹底的にいじめ抜くストーリーしか創作できなくなってしまった原因である。

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