恋するほたると暮らしてる

恋するほたると暮らしてる

下宿先のアパートが台風被害に遭い、住むところを失ってしまった真山鈴は、母親の伝手で、急遽(きゅうきょ)佐伯奈緒子と息子が暮らす家に住まわせてもらうことになる。だが、そこで鈴を出迎えたのは、同じクラスのダウナー系イケメンの佐伯蛍だった。クラスメイトの家に居候することになった女子高校生が、生活を共にすることでこれまで接点のなかった蛍の意外な一面や優しさを知り、彼の魅力に翻弄される姿を描く、同居から始まる恋物語。「comic POOL」2021年9月から掲載の作品。

正式名称
恋するほたると暮らしてる
ふりがな
こいするほたるとくらしてる
作者
ジャンル
ラブコメ
 
日常
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あらすじ

女子高校生の真山鈴は、親もとを離れて下宿先のアパートから通学していたが、ある日アパートが台風被害に遭い、大規模なリフォームを行うことになった。これによって突然住む場所を失った鈴は、母親の友人、佐伯奈緒子と息子が暮らす家に急遽居候させてもらえることになり、ほっと胸をなでおろす。しかし鈴が佐伯家に向かうと、奈緒子と共に鈴を出迎えたのは、クラスメイトのイケメン男子、佐伯蛍だった。拒絶することもできず、突如として始まったクラスメイトとの同居生活によって、鈴はあらぬ誤解を受けないように学校では秘密にしておくことを決める。鈴は学校や近所での言動について細心の注意を払って欲しいと、蛍にも協力を求めるが、当の蛍はまったくに気にする様子がなく、クラスで弁当に箸が入っていなかったと鈴に話しかけてきたり、降り出した雨の中、いっしょの傘に入って下校しようとしたりと、警戒心のない蛍の態度に鈴の方が困惑してしまう。その後、突然決まった奈緒子の海外出張により、一つ屋根の下で一週間、二人きりで暮らすことになり、鈴は蛍を意識してしまう。そして鈴は、居候という立場で佐伯家に迷惑をかけないよう、蛍とも良好な関係を築こうと、共同生活のルールを決めようとしたり、ゴミ捨てや掃除、布団干しや庭の草むしりなどを徹底して行おうとするが、空回りばかりしていた。それでも蛍はそんな鈴の心中を察し、新しい茶碗(ちゃわん)とお椀(わん)、箸をプレゼントすることで、気を張って暴走しがちな鈴に、我が家への歓迎の気持ちを伝えようとする。基本的に不愛想で、言葉足らずな蛍が何を考えているのかわからず、鈴はそんな彼の言動に翻弄されるが、いっしょに暮らすうちに蛍の意外な一面や思いがけない優しさ、魅力に気づくことになる。

登場人物・キャラクター

真山 鈴 (まやま すず)

佐伯蛍と同じ高校に通う女子。蛍とはクラスメイトで、陸上部に所属している。明るい性格で、感情が顔に出やすいところがある。また、切羽詰まると一人で暴走しがちで、直後にそんな自分に気づいて落ち込むことも少なくない。もともと暮らしていた下宿先のアパートが、台風被害に遭ったことをきっかけに大規模な改装を行うことになり、2か月のあいだ、母親の友人の佐伯奈緒子が息子と暮らす家に仮住まいさせてもらうことになった。実際に顔を合わせて初めて、奈緒子の息子がクラスメイトの蛍であることを知り動揺するも、こちらの都合を受け入れてもらった手前、拒絶することもできず、蛍との同居を始めることになった。周囲に変な誤解を与えないため、蛍との同居が知られないように最大限の努力をしているが、一方の蛍があまりに気にしないタイプのため、何かと気苦労が絶えない。居候という立場から、自分と蛍の分の弁当を作ったりしているが、もともと料理が得意ではないため、うまくはいかなかった。さらに奈緒子の海外出張によって、蛍と二人きりでの生活を送ることになり、同居に関するルールの徹底を決意。新たに取り決めを書き出したり、掃除やゴミ捨て、布団干しに庭の草むしりなど、料理以外でも役に立とうとするが、暴走しすぎて空回りし、逆に蛍に心配されることも多い。蛍とは一つ屋根の下、むやみに近い距離感にどぎまぎしたり、唐突な優しさを見せる蛍に翻弄されながら、蛍が気になる存在になっていく。実は丸谷陸とは保育園と小学校が同じだった幼なじみ。真山鈴が小学4年生で転校したため、その後疎遠になっていたが、高校入学時、5年ぶりの再会を果たした。そのため、ほかの男子生徒たちよりも気安く接している。同じクラスの木村杏奈や晴香とはいっしょにお昼ご飯を食べたり、行動を共にすることも多く、仲がいい。

佐伯 蛍 (さえき ほたる)

真山鈴と同じ高校に通う男子。佐伯奈緒子の息子で、鈴とはクラスメイト。口数が少なく物静かな性格で、独特の雰囲気を漂わせたダウナー系のイケメン。奈緒子が鈴の母親と学生時代からの友人だったことから、台風被害で下宿先を失い、住むところがなくなった鈴を受け入れることになり、同居生活が始まった。しかし、特に何かを変えようとする様子もなく、マイペースに日常を過ごしている。不愛想で言葉足らずのため、誤解を受けることもあるが、友達への思いやりや優しさを持っている。校内校外問わず女性からの人気は高く、声をかけられることも多い。だが、恋愛事に無関心のため、基本的に最低限の礼節をもって、冷たくあしらっている。一方で鈴に対しては無防備で、むやみに距離感が近いこともあり、頻繁に鈴をどぎまぎさせているものの、基本的に無意識な行動によるもの。料理が得意で、将来的に料理を仕事にしたいと考えており、料理を勉強するために奈緒子の教え子だった店長が経営するレストランでアルバイトをしている。現在は接客だけでなく、主に月替わりのランチ用デザートも担当している。ある時、居候という立場を気にした鈴が、自分たちに気遣って立ち回ろうとしているのに気づき、新しい茶碗とお椀、箸をプレゼントすることで我が家への歓迎の気持ちを伝えた。ある日、アルバイト先のレストランに、鈴が丸谷陸と滝沢凪、木村杏奈と食事に来た際、自分のデザートを鈴が褒めてくれたため、家でも作ってあげると耳打ちしたところ、その場面を目撃した陸から、鈴と付き合っているのかと質問されることになった。陸に対しては、ウソ偽りなく付き合っていないこと伝えたが、それを聞いた陸のほっとしたような反応を見て、陸の鈴への思いを察することになる。さらに、自分たちが付き合っているのではないかと誤解されていることを知った鈴が、必死に否定しようとする姿を見て、実際に付き合っているふりをしようと提案した。身長は177センチ。細身の体格ながら、大食漢。

佐伯 奈緒子 (さえき なおこ)

佐伯蛍の母親。真山鈴の母親とは学生時代からの友人。明るくノリが軽くてサバサバした性格をしている。シングルマザーで、一軒家で蛍と二人暮らしをしながら大学教授として忙しい日々を送っている。ある時、鈴の母親から頼まれ、台風被害で住む場所を失った鈴を預かり、三人で暮らし始めたが、直後にカナダで行われる国際学会に出席することになり、急遽海外出張が決まった。1週間家を空けることになったが、蛍には鈴に変なことをしないようにと一応釘(くぎ)を刺したものの、留守を任せることについては、もともとよく留守にしていたため、あまり心配していない。

木村 杏奈 (きむら あんな)

真山鈴と同じ高校に通う女子。鈴とはクラスメイト。鈴や晴香とは仲がよく、いっしょにお昼ご飯を食べたり、休日に買い物に行くこともある。男女交際に関しては特に敏感で、なんでも知りたがる傾向にある。ミーハーなところがあり、イケメンが大好き。鈴の下宿先が台風被害に遭ったことを知り、鈴の服をコーディネートするために買い物に誘った。購入の手助けをしてあげたのち、お昼ご飯を食べようと話していた時、偶然遭遇した丸谷陸と滝沢凪に声をかけられ、四人でいっしょにランチをすることになった。そして、佐伯蛍のアルバイト先のレストランで食事をすることになったが、その際に陸と鈴が親し気にしゃべっていることに気づき、二人の関係に疑いを持つ。その後、二人が幼なじみの関係にあることを知るが、校内で鈴がこっそり蛍に弁当を渡しているところを目撃し、二人が付き合っているのではないかと疑い始める。鈴からは、落ちていた弁当を拾って届けただけと言われたが、信じていない。

滝沢 凪 (たきざわ なぎ)

真山鈴と同じ高校に通う男子。鈴とはクラスメイト。左目尻にほくろがある。佐伯蛍、丸谷陸とは仲がよく、いっしょにお昼を食べたり、校内でも行動を共にすることが多い。ある時、蛍が頑(かたく)なにアルバイト先を教えてくれなかったため、独自に調査してアルバイト先のレストランを突き止めた。陸を誘っての道中、偶然遭遇した鈴と木村杏奈も誘ってレストランに向かい、アルバイト中の蛍を冷やかした。身長は165センチと小柄で、かわいらしい雰囲気を漂わせたイケメン。女子からの人気が高く、滝沢凪自身もかわいらしさを自覚しているため、全力の笑顔で周囲を魅了するあざとさを持っている。基本的に誰に対しても笑顔で接するが、すべてが友好的な笑顔とは限らず、奥底に黒い感情を抱いていることもあるらしい。

丸谷 陸 (まるや りく)

真山鈴と同じ高校に通う男子。鈴とはクラスメイト。佐伯蛍、滝沢凪とは仲がよく、いっしょにお昼を食べたり、校内でも行動を共にすることが多い。実は鈴とは保育園と小学校が同じだった幼なじみ。鈴が小学4年生で転校したため、それ以来疎遠になっていたが、高校入学時に5年ぶりの再会を果たした。そのため、鈴は気安く話せる数少ない女子であり、実はひそかに思いを寄せている。しかし自分の気持ちは、鈴はおろか蛍や凪にも打ち明けていない。ある時、蛍のアルバイト先のレストランを独自に突き止め、冷やかしに向かおうとする凪に同行した際、偶然遭遇した鈴や木村杏奈と共に食事することになった。レストランで鈴が何かと蛍を気にする様子を見せ、さらに会計時に二人の親密そうな様子を目にしたことで、鈴が蛍と付き合っているのではないかと疑問を抱くようになった。後日、学校で蛍に直接質問をぶつけ、交際の真偽を確認。蛍から付き合っていないという回答を聞いて心底ほっとした。身長は188センチで、ヤンキーっぽいところがあるが、なかなかのイケメン。恐そうに見えるが、人見知りのため意外に照れ屋で優しい一面がある。

店長 (てんちょう)

レストランを経営している男性。店長を務めている。大学時代、佐伯奈緒子の教え子だった。レストランでアルバイトをしてくれる学生を探していた時、奈緒子から息子の佐伯蛍に料理の勉強をさせてあげて欲しいと言われ、雇うことを決めた。蛍の仕事ぶりをよく見ており、ランチのデザートを任せている。

晴香 (はるか)

真山鈴と同じ高校に通う女子。鈴とはクラスメイト。鈴や木村杏奈とは仲がよく、いっしょにお昼ご飯を食べたり、行動を共にしている。鈴や杏奈といっしょにいた時、杏奈が鈴に佐伯蛍と付き合っているのかと質問した。交際をきっぱり否定する鈴に、校内で鈴がこっそり蛍に弁当を渡していたことを引き合いに出すも、必死に言い訳する鈴の様子を見て、何かあると察した。それでもなお、真相を聞き出そうとした杏奈を制し、鈴の話で納得しようと杏奈をなだめた。この時、晴香自身も納得したように見せているが、実際は鈴が言いたくなったら聞こうと、二人の交際に関しては疑ったままでいる。

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