概要・あらすじ
高校入学を機に、家族と共に生まれ育った鎌倉に帰ってきた万城目ふみは、入学式の日にチカンから助けてもらうという形で、幼なじみの奥平あきらと十年ぶりの再会をはたす。恋人関係にあった年上の従姉の結婚を知り、思わず泣きだしてしまったふみを、昔と同じ言葉で慰め励ましてくれるあきら。
そんな彼女の言葉に、ふみは十年間の空白を跳び越えて、再び二人の関係が始まることを嬉しく思うのだった。そんなふみは、学校ではボーイッシュな先輩・杉本恭己とも知り合い、晴れて彼女と付き合うことに。
しかし、次第に杉本恭己の内には秘めたる思いがあることを知り、その関係は徐々に変化していく。
登場人物・キャラクター
万城目 ふみ (まんじょうめ ふみ)
松岡女子高等学校の一年生。長身と長い黒髪が特徴的な美少女で、常に眼鏡を掛けている。幼い頃から泣き虫で悩みがちな性格で、よく幼なじみの奥平あきらに助けてもらっていた。深い関係だった年上の従姉が自分を裏切るような形で結婚したことにショックを受け悲観にくれている時、あきらとの十年ぶりの再会や、高校の先輩である杉本恭己との交際を機に立ち直ろうとするが、やがてその関係も徐々に変化してく。
各務 正則 (かがみ まさのり)
藤が谷女子学院高等部教諭。演劇部の顧問も務める。生徒のことは良く気にかけており、受け持つ演劇部が公演を終えた際などはねぎらいを欠かさない。杉本恭己が密かに思いを寄せる人物。杉本和佐とは婚約をしている。
本厚木 洋子 (ほんあつぎ ようこ)
松岡女子高等学校の一年生。万城目ふみとはクラスメートで隣の席に座る。ふみを演劇部へ誘った張本人。明るい性格で物怖じをせず、肩までのボブヘアが特徴。
奥平 あきら (おくだいら あきら)
お嬢様学校である藤が谷女子学院高等部の一年生。天真爛漫でしっかり者な女の子で、小学生の頃は万城目ふみをいつも守っていた。高校生になって再会した後も、色々なことで落ち込みがちなふみを励まし、杉本恭己との恋を打ち明けれた時も、同性同士の恋に驚きながらも彼女を応援した。
茂木 美和 (もぎ みわ)
松岡女子高等学校の一年生で、本厚木洋子ら仲良し三人組の1人。演劇部に所属し、短めのウェーブのかかった髪型をしている。
奥平 忍 (おくだいら しのぶ)
奥平家の長男であきらの兄。極度のシスコンであり、本人もその自覚はある。よく彼女の面倒をみようとするが、あきらからは疎まれている。
澤乃井 康 (さわのい こう)
井汲京子とは許婚の間柄である大学生。彼女とは幼なじみでもあり、昔から彼女のことを気遣い慈しんでいる。
井汲 京子 (いくみ きょうこ)
藤が谷女子学院高等部の一年生。奥平あきらのクラスメートで、同じ演劇部に所属していることから、彼女の友人となる。年上の婚約者もいる身でありながら、中学時代から杉本恭己に想いを寄せており、報われない恋に身を焦がすことに。 澤乃井康とは許嫁の間柄。幼なじみでもあり付き合いが長いことから良き兄のように接している。
杉本 公理 (すぎもと くり)
杉本家四人姉妹の三女。くっきりとした大きな眼に明快な性格。恭己のように藤が谷女子学院の生徒時代は大勢の女生徒にモテていた。
杉本 恭己 (すぎもと きょうこ)
松岡女子高等学校の三年生。以前は藤が谷女子学院に通っていたが、高校二年生からこちらの高校に転入した。クールな物腰とボーイッシュなルックスで学校中の人気者。万城目ふみに興味を持ってつきあい始めるが、彼女もその内に様々な複雑な想いを抱えていた。
安田 美沙子 (やすだ みさこ)
松岡女子高等学校の一年生。本厚木洋子と茂木美和とは中学時代からの友人で、皆で演劇部に入部する。さばさばした性格で、くっきりとした眉にくせっ毛のショートヘアをしている。
杉本 姿子 (すぎもと しなこ)
杉本家四人姉妹の長女。細く切れ長の目にロングストレートの髪が特徴で、物腰もとらえどころがなく、よくキツめの冗談を言っては恭己をからかっている。
杉本 和佐 (すぎもと かずさ)
杉本家四人姉妹の次女。藤が谷女子学院で美術の教師をしていたことがある。姉妹の中でもっともおしとやかで女性らしい外見をしているが、絵を描いている際に脚を大きく開いて座るなど、性格は男らしい。各務正則の婚約者。
クレジット
原作
青い花 (あおいはな)
江ノ電沿線にある違う高校に通っている主人公・万城目ふみと奥平あきらを中心に、女性同士の恋愛と友情、さらには男女の恋愛をも描く。 関連ページ:青い花