概要・あらすじ
島原の乱から少し後、海賊・松浦伊織は襲撃したオランダ船で紅毛の男ミカ・アンジェロと日本人宣教師のシローを見つけた。天草四郎は生きていた。 この2人を助け、自分の船に乗せたことからオランダ軍に襲撃をかけられる。
登場人物・キャラクター
松浦 伊織 (まつうら いおり)
鄭芝龍の支援を受けて、台湾近海でオランダ船に対して海賊行為を行っていた。松浦藩当主の子。シローとミカに出会ったことから、台湾をめぐるスペインとオランダの戦いに巻き込まれてゆく。剣の腕は立つが浅慮の傾向があり、思い込んだら一直線に突き進む熱血漢。
シロー
その正体は、島原の乱後に生き延びていた天草四郎時貞であり、ミカ・アンジェロと共にオランダ船に囚われていた。宣教師として生きていたが、台湾でキリスト教徒同士が繰り広げる凄絶な戦いを目の当たりにして、自らの信心がゆらぎ始める。その後、鄭芝龍と出会い、彼の亡き息子・鄭成功として生きてゆく決意をする。 歴史上の実在の人物、天草四郎時貞と鄭成功をモデルとした人物。
ミカ・アンジェロ (みかあんじぇろ)
三浦按針の息子で、甲賀流の公儀隠密。本名は三浦按次郎。シローをヨーロッパへ連れて行くという密命の途上、オランダ船に囚われ捕虜として台湾に上陸した。そこでスペインとオランダの植民地獲得争いに巻き込まれ、伊織たちと共にスペイン側について戦うこととなる。
宮本 武蔵 (みやもと むさし)
実在の人物宮本武蔵がモデル。仕官先を求めて台湾にやってきた。二天一流の使い手で、その強さは並外れている。戦いの中で伊織に光る物を見いだし、以降は彼の味方となる。
鄭 芝龍 (てい しりゅう)
実在の人物鄭芝龍がモデル。明国の海軍大臣。妻は日本人の田川まつ。1人息子の鄭成功を熱病で亡くし意気消沈していたところ、息子の生き写しのようなシローと出会い、彼を実の息子として迎えることを決意する。
松平 伊豆守 (まつだいら いずのかみ)
実在の人物松平信綱がモデル。徳川200年の安寧な時代の基礎を築いた江戸幕府初期の重要人物。公儀隠密としてミカを召し抱え、シローをヨーロッパへと旅立たせた。
我雅 (がが)
台湾原住民族カタガラン族の女酋長。伊織のことを気に入り、彼らの旅に同行する。体術・幻術などをマスターしており、戦闘力も高い。ミカにはレディ・ガガと呼ばれている。
集団・組織
甲賀四鬼 (こうがよんき)
松平伊豆守が擁する甲賀忍者の手練れ。隠形鬼・風鬼・金鬼・火鬼の4人で構成され、諜報活動を主任務としている。甲賀で修行したミカとは旧知の間柄。風鬼は伊織に、他の3人は宮本武蔵に倒された。
場所
麗島 (うるわしじま)
現在の台湾にあたる島。南方にはオランダの拠点、ゼーランジャ城があり、北方にはスペインの拠点、紅毛城がある。この2国が台湾を植民地にする権利をめぐり、戦いを繰り広げている。後に鄭成功によってオランダ勢とスペイン勢は台湾から放逐されることとなる。
平戸 (ひらど)
現在の長崎県平戸市。松浦藩により治められている。長崎に移る前はこの平戸が、日本における海外貿易の窓口であり、大変栄えていた。三浦按針が亡くなった地でもある。
生月島 (いきつきしま)
現在は長崎県平戸市に属する島。隠れキリシタンが住んでいた場所として有名。鄭成功の母、田川まつが住んでいた島であり、鄭成功が生まれた場所でもある。作中では鄭成功が生まれたとされる浜辺で、松平伊豆守の命により踏み絵が執り行われた。