「すごいスマホ」を入手する
弟の修が7年前に行方不明になってから、毎日を無為に過ごしていた天才少年の探来田究はある日、カバンの中に入っていた「すごいスマホ」、通称「すマホ」を手に入れる。地球上に存在するすべての情報を検索できるという、すマホを半信半疑で使ってみたところ、身近で起こった事件を解決し、すマホが本物であることを悟る。そして、彼自身の天才脳とすマホの機能を活用して、消息不明の弟を検索して捜そうとする中で、究が遭遇するさまざまな頭脳戦や怪事件が、サスペンスやSF要素を交えて展開される。
無気力になった天才少年が主人公
高校1年生の探来田究は、幼い頃から博識で勉強もできるが、7年前に弟の修が行方不明になったことでテストにまじめに解答しないなど、無気力で心の屈折した日々を送っていた。そんな究が修の捜索をあきらめかけていた頃に手に入れたのが「すマホ」で、究はそのすマホに搭載されたAIに「君」と名付け、持ち歩くようになる。すマホのグーググの検索機能を使えば、機密文書や監視カメラのデータ、他人のSNSのやり取り、近所に落ちている小銭の場所など、ふつうでは知ることのできない、さまざまな情報を瞬時に検索することができる。
ほかの「すマホ」所有者と出会う
さっそく「すマホ」で弟・修の行方を探り始めた探来田究だったが、すマホをもってしても的確な情報を得ることはできなかった。所有者がすマホを使って重要な情報を探すには「グーググ・ポイント」を集めることが必要となり、グーググ・ポイントを集める過程で、究はさまざまな事件とかかわることになる。事件の全容を明らかにしようとして、トラブルに巻き込まれたりする中で、ほかのすマホ所有者やサイバー犯罪捜査課刑事の瀬尾水凪たちと出会い、それぞれの智略と謀略が複雑に絡み合い、緊張感に満ちたサスペンスストーリーが展開される。謎多き社長・関函全一郎をはじめとする強敵との戦いの行方や、すマホに隠された秘密も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
探来田 究 (さぐらだ きゅう)
とある高校に通う1年生の男子。あだ名は「Q」。両親が大学教授で、将来はアメリカの大学へ留学することを夢見ていた。かなりの博識で秀才ながら、本気でテストを受けておらず、全教科100点を取る実力がありながら追試ラインの60点ピッタリを取るなど、ゲーム感覚で楽しんでいる。昔は探求心旺盛だったが、消息不明になった弟の修を見つけられないことに絶望し、無気力になってしまう。これらの事情を知るクラスメートで幼なじみの農丸結歌から心配されている。そんなある日、カバンに入っていた「すマホ」を見つけ、「君」と名付ける。君を生かして修の行方を探るが、まったく情報が得られず、修の失踪事件の謎を解明するためにグーググ・ポイントを稼ぐことを決意する。
君 (きみ)
探来田究の「すマホ」に搭載された高性能AI。敬語口調で話す。ある日、究のカバンの中に入っていたことで、彼がすマホの所有者となる。当初は究にグーグルの紛い物と疑われていたが、彼がすマホの機能を活用して身近な事件を解決に導いたことで、その機能が本物だと確信させる。この際に究に名前を付けてほしいと頼んだところ、「君」と名付けられた。
その他キーワード
すマホ
さまざまな機能を搭載した不思議な高性能スマートフォン。正式名称は「すごいスマホ」で、機種名は「グーググ・スマホ」。通常のスマートフォンよりも小型で、キューブのような形をしている。地球上に存在するすべての情報が検索できたり、あらゆる通信機器に匿名で通信ができたりする。アシスタント機能によって高性能AIとの会話が可能で、検索などの指示は音声入力できる。また、すマホの本体ごとにAIの性格が異なる。すマホの機能を生かして一定条件を満たすたびに、グーググ・ポイントを稼ぐことができる。
クレジット
- 原作
書誌情報
すごいスマホ 3巻 集英社〈ジャンプコミックス〉
第1巻
(2022-09-02発行、 978-4088832494)
第2巻
(2022-12-02発行、 978-4088833576)
第3巻
(2023-01-04発行、 978-4088834078)