バリキャリ上司とクールな後輩の「友人愛」
27歳ながら敏腕アートディレクターとして活躍する早乙女望愛は、これまで友達も満足にいないコミュ障な女性。かわいらしい容姿にスタイル抜群の巨乳ながら、男運も悪く、過去に付き合っていた五人の彼氏はいずれもろくでなしばかり。そんな望愛が五人目の彼氏にふられ、会社でヤケ酒を煽っている姿を理人に目撃される。人生省エネ思考の理人は、恋愛にも強い願望を抱いていないため、居酒屋で愚痴を聞いたことがきっかけで望愛と友達関係になる。仕事も人付き合いもほどほどがいいと考える理人が、望愛の重すぎる「友人愛」に振り回される様子がコミカルに描かれる。
距離感がバグった二人の関係
何事にも全力で取り組む望愛は、仕事や恋愛、交友関係にもその気質を遺憾なく発揮し、揺れ幅が大きい感情を理人に向けている。そのため、濃厚なスキンシップや距離感が近すぎる行為は日常茶飯事で、理人はいつも望愛に振り回されている。さらに望愛は、仕事終わりに理人を毎日居酒屋に誘い、帰宅してからも通話やメッセージアプリをはじめ、さまざまな方法で全力すぎる重めの「友人愛」をぶつけてくる。そんな二人の様子は、職場の人たちに付き合っているとカンちがいされるほどだが、本人たちにはそんな認識はまったくなく、友達以上恋人未満の関係は続いていく。
ゲーム開発会社が舞台
望愛と理人はゲーム会社でソーシャルゲームの開発に携わっており、望愛はチームのアートディレクター、理人は3Dチームのキャラモデラーを務めている。実際にゲーム会社への取材を通した開発現場の様子が、イベントごとのモデリング開発の苦悩と共にリアルに描かれ、現実のゲーム開発会社の内情をうかがい知ることができる。また、2D・3D問わず活躍する望愛の有能さも描写されており、理人は酒を飲んだ時の情緒不安定な彼女とのギャップに戸惑いながらも、クリエイターとしての望愛を尊敬している様子が垣間(かいま)見られる。
登場人物・キャラクター
大塚 理人 (おおつか りひと)
とあるゲーム会社に勤務する男性。3Dチームのキャラモデラーを務めている。社会人2年目で、年齢は23歳。身長は171センチで、体重は57キロ。10月7日生まれのてんびん座で、血液型はA型。東京出身で両親のほかに妹が一人いる。好きなゲームは『ELDEN RING』『Bloodbone』『DARK SOULS』。好きな食べ物は唐揚げ、コーヒー、ランプ肉。大学時代の知り合いに食べ歩きが趣味の人物がいたため、タイ料理をはじめとしたさまざまな国の料理に造詣が深く、グルメな一面がある。人生は省エネを信条に、仕事や人付き合いは最低限でいいと考えており、自分の時間を最優先する生活を送ってきた。同じ職場の望愛のことを尊敬していたが、残業代欲しさから遅くまで会社に残っていたある日、失恋して取り乱している望愛を目撃する。そして彼女がコミュ障で距離感がバグったメンヘラ気質であることを知るものの、なし崩し的に友人となる。それ以後、自分の時間を望愛に奪われながらも、毎日のように居酒屋へ出かけて親しくなる。
早乙女 望愛 (さおとめ のあ)
理人と同じゲーム会社に勤務する女性。アートディレクターを務めている。社会人5年目で、年齢は27歳。身長は155センチだが、実は厚底ブーツの5センチ分も含んだ数値。11月9日生まれのさそり座で、血液型はB型。若くして会社の看板ゲームのアートディレクターを任され、職場でも信頼を集めている。一見するとクールなバリキャリだが、実際は恋愛脳オタクで、距離感がバグったメンヘラ気質のため、せっかくできた友達にも絶交されることを繰り返している。過去に五人の彼氏と付き合っていたが、ヒモ、窃盗犯、既婚者、浮気者、虚言癖といずれもろくでなしで、男運にも恵まれていない。一方で、グイグイ来られると引いてしまうため、未(いま)だに処女。五人目の彼氏にふられてヤケ酒を煽っている姿を、残業していた理人に目撃され、居酒屋で愚痴に付き合ってもらったのをきっかけに、友人関係となる。しかし、距離感がバグっているため毎日のように理人を飲みに誘い、会社でもフレンドリーに接しているため、周囲からは付き合っているとカンちがいされている。
書誌情報
のあ先輩はともだち。 5巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2023-10-19発行、 978-4088928623)
第2巻
(2024-02-19発行、 978-4088931142)
第3巻
(2024-06-19発行、 978-4088932651)
第4巻
(2024-09-19発行、 978-4088933757)
第5巻
(2025-01-17発行、 978-4088934815)