みなと商事コインランドリー

古びたコインランドリーを経営するアラサー男子・湊晃は、高校生の客、香月慎太郎（シン）と仲良くなる。しかしある日、湊がゲイであることがバレてしまい、シンは店に来なくなってしまった。ドン引きされたと思い込む湊だったが、2週間ぶりに来店したシンは、湊にハッキリと好意を伝えた。シンもまた男性が恋愛対象だったのだ。シンの申し出により友達として付き合うようになった二人は、年の差やお互いの過去に戸惑いながらも、真っすぐな気持ちで関係を築いていく。

じつは湊も初対面の時からシンがタイプであった。しかし相手は高校生である。「手を出したら社会的な制裁が待っている」。そんな思いで、必死に自分を抑えていた。ところが、シンは年の差なんてまったくおかまいなしにグイグイ迫ってくる。毎日のように湊に会いにきては、キスしようとしたり甘い言葉を囁いたりするのだ。じつはシンの湊に対する思いは、10年前のある出来事から始まっていた。10年分の思いを一途にぶつけてくる年下イケメンに翻弄される、アラサー男子のかわいさ、純情さも見どころの一つである。

高校時代の湊は、水泳部の顧問・佐久間孝之に恋をしていた。しかしどうしても自分の気持ちを伝えられずに、卒業式の日に突然、佐久間にキスをしてそのまま逃げたという過去があった。高校の同窓会や友人の結婚式に行きたがらない湊を問いただし、佐久間先生の存在を知ったシンは激しく嫉妬する。佐久間先生をなんとも思っていないならば、結婚式や同窓会も平気なはずである。「過去にケジメをつけてください」とシンに迫られた湊は、意を決して同窓会に参加するが、佐久間先生は風邪で欠席だった。そんなある日、産休の先生の代わりに佐久間先生がシンのクラス担任として赴任してきた。湊の過去の思い人の登場に、シンの感情は激しく揺れ動くのだった。