アサシン＆シンデレラ

ライバル組織の殺し屋、甘井緒臣の恋人として同棲しながら弱点を探っていた佐藤寧々子が、その正体が緒臣にとっくにバレていたことを知ったところから物語が始まる。死を覚悟したその時、緒臣から持ち掛けられたのは意外にも契約結婚だった。その契約内容は、寧々子がスパイを続けるために表向きは二人が結婚していることにするというもの。仕方なく契約結婚を受け入れた寧々子は、殺気と色気をまとう緒臣に翻弄されながらも、敵対関係にある彼に次第に心を許していく。

佐藤寧々子は幼少期からスパイとして育てられたが、実際は限られた仕事しかしたことのない、ゆるふわ系ポンコツスパイだった。案の定ターゲットの甘井緒臣にも正体がバレてしまうが、これまで誰かに必要とされたり、心から愛された経験がないため、緒臣の愛に包まれて幸せを感じている。一方、緒臣は殺し屋として培った類稀なる戦闘能力だけでなく、料理などのスキルも高く、整った容姿のスパダリ系のイケメン。色香の裏には獣のような殺気を持ちながら、寧々子のためならアサシンとしての仕事を忘れてしまうほど、彼女に夢中になっている。

任務が失敗して組織に処分される運命だった佐藤寧々子にとって、甘井緒臣は絶望的な状況から救ってくれる恩人でもあった。狂愛ともいえる緒臣からの深い愛情に寧々子はさまざまな変化が訪れる中、彼女が所属する組織からの指令で緒臣とハネムーンへ出掛けることになる。旅行先では、緒臣の要望で二人だけの時間を過ごすことになり、彼女の美しさと愛らしさを実感した緒臣は、偽装的な契約結婚ではなく正式な結婚を申し込む。