イチゴーキ!操縦中

高校入学を控えた改は、小さくなる薬を飲んだために元の姿に戻れなくなった操からの依頼を受け、動物園へ向かう。しかし、その途中で遭遇した東ローランドゴリラの「マサロウ」に襲われ、命を落としてしまう。責任を感じた操は、自らの身体が元の大きさに戻ることを一時的にあきらめ、改の身体を改造して人型ロボットとして蘇らせる。だが、改造された改は、体内にエナジードリンクを注入しなければ動けなくなり、定期的なメンテナンスが必要な身体になってしまう。改と操は、お互いの身体に生じたハンデを補うため、操が改を操縦する形で学校生活を送ることを余儀なくされる。

メカとなった改には、「隠レ100機能」と呼ばれる特別な機能が搭載されている。隠レ100機能には、全世界に設置された監視カメラの映像を傍受する「スパイカメラ・モード」や、肩にあるボタンを押した人間を2時間のあいだ体内に吸収する「吸収モード」、改の熱い心を物理的に燃え上がらせる「バーニング・モード」など、さまざまな機能が含まれており、その数は100種類にも及ぶ。一般的なメカとして役立つ機能もあれば、人外的な能力や倫理的に問題のある機能も多く、平穏な日常を望む改にとっては、ありがた迷惑なものも少なくない。なお、改に搭載されている隠レ100機能については、作中で「イチゴーキ・マニュアル」という形で詳しく解説されている。

改や操のクラスには、成績優秀で運動神経も抜群ながら、怒りっぽくて独特な悪口を連発する花岡咲羅や、大人びていてミステリアスな美人でありながら、小動物に対して異常な執着を示す睦嬉里、ブラジルを崇拝するあまり奇妙な行動をとるサッカー部のキャプテン、寧丸純など、メカ化した改にも劣らない強烈な個性を持つ生徒が多数在籍している。改は、自身の身体がメカ化したために平穏な生活を送ることができないと覚悟していたが、皮肉なことに、周囲が変わり者ばかりであるため、まったく怪しまれずに済んでいる状況が続いている。