血縁を超えた四人が織りなす、ヒューマンドラマ
本作は、一つの部屋で共同生活を送る翻訳家の麻耶、テレフォンオペレーターのみちる、みちるの息子である佑太、そして麻耶たちの住むアパートの下の階に住む俳優のニコ、四人の視点から物語が展開される。みちると佑太の親子を除けば、彼らに血縁や婚姻のつながりはなく、ニコに至っては麻耶たちの同居人ですらない。しかし、彼らの絆は実の家族にも劣らないほど強く、互いにとってかけがえのない存在となっている。
同性愛が物語の重要なテーマ
麻耶とみちるは、かつて同棲していた恋人同士だった。5年前に別れたあと、みちるは雨宮圭一と結婚し、息子の佑太をもうけるが、圭一は事故で亡くなってしまう。現在、麻耶とみちるは佑太と共に暮らしているが、みちるの麻耶に対する思いは今も強く残っている。また、ニコはみちると出会う前に圭一と恋愛関係にあり、今も佑太にかつての恋人の面影を重ねている。このように、麻耶とみちる、そしてニコと圭一という、それぞれの同性への愛が物語の重要なテーマとなっている。
東京での共同生活と多彩な人間関係
東京で共同生活を始めた麻耶たちは、地元の街や職場でさまざまな人々と出会い、再会を果たす。中学校時代から麻耶に密かに思いを寄せていた同級生n桑原英資、まじめでやや融通が利かないものの子供が大好きで佑太にも優しく接する保育士の望月恵、そしてニコの役者仲間で、彼と圭一の関係を知る野馬葉介など、多彩な人物たちが登場する。彼らとの交流は、麻耶たち四人の関係に大小さまざまな影響を与え、よくも悪くも変化をもたらしていく。
登場人物・キャラクター
南雲 麻耶 (なぐも まや)
翻訳家の女性。黒髪のロングヘアに眼鏡をかけている。しっかり者のお姉さん気質で、周囲から頼りにされている。現在は東京のアパートでみちると共同生活を送り、みちるや下の階に住むニコと共に、みちるの息子である佑太の世話をしている。みちるとはかつて恋人同士で、5年前まで同棲していた。現在は表向きは友人として割り切った同居生活を続けているが、内心では彼女を失いたくないという強い思いを抱いている。のちに中学時代の同級生、英資と知り合うが、みちるが彼に対して嫉妬していることを知り、その板挟みに悩むことになる。
雨宮 佑太 (あまみや ゆうた)
みちると圭一の息子で、母親と共に麻耶の部屋で暮らしている。近くの保育園に通い、プリンや石集めが大好き。温和で心優しい性格で、幼いながらも大人たちに気を配ることができる。やや人見知りが激しいものの、一度心を許した相手には強い信頼を寄せており、麻耶やニコのことを実の親のように慕っている。彼らからも息子のように愛されており、特にニコからは目に入れても痛くないほど溺愛されている。








