カレコレ

西暦2000年、突如として地球が丸ごと異世界に転生する事態が発生。しかし、その原因はまったく不明だった。「宇宙」ではなく「異宙」に転生した地球には、ドラゴンやサイクロプス、エルフといった異宙の生物が流入し、世界は混沌に包まれた。また、転生後の地球には太陽がなく、その代わりを太陽神ホルスが担った。それから27年後、なんだかんだで人類はその環境に適応していた。そんな世界を舞台に、ゾンビと吸血鬼のDNAを持つカゲチヨ、雪女と雷神カンナカムイのハーフ、ヒサメ、狼男と太陽神ホルスのハーフ、シディの三人は、自身の出自を探るため、なんでも屋「カレコレ屋」を開いて、広く情報を収集することにする。

ある日、エイファという研究者にヒサメが誘拐される事件が発生。さらにシディも囚われの身となるが、カゲチヨのウイルス攻撃により、エイファの制圧に成功する。エイファは「トッププレデター」という組織の元研究者で、ヒサメたちをさらに進化させ、組織への復帰を企んでいた。エイファによると、トッププレデターの目的は、地球の覇権を取り戻すことだという。人類が再び生態系の頂点に立つための実験の一つが、異宙の住人たちよりも強い生物を作り上げること。そこで生まれたのが、カゲチヨたち三人の実験体だった。ただし、エイファは、三人が作られる前に組織を追われており、実際に手を下したのは後任の研究者だという。カゲチヨたちは、初めて自身の出自に関わる情報を得た。

本作の登場人物の多くは、元は普通の人間。トッププレデターにより、2種類の異宙人のDNAを与えられた実験体である。DNAによって、角や尻尾といった容姿に変化があるほか、元の異宙人が持つ異能を受け継いでいる。ただし、その能力は元の異宙人よりもスケールダウンし、最大でも20パーセント程度の力しか受け継がれないという。当然ながら、元の異宙人が強いほど、受け継いだ人間の能力も高い。カレコレ屋の中では、太陽神ホルスと狼男のハーフであるシディが最も強く、次が雪女と雷神カンナカムイのハーフであるヒサメ。カゲチヨは中の下ぐらいのランクだが、ゾンビ×吸血鬼の組み合わせでほぼ不老不死であり、オリジナルのウイルスを作って操る技もある。敵対するトッププレデター側のハーフたちも、ユニークな異宙人の能力を受け継いでおり、バラエティに富んだ異能バトルが繰り広げられる。