様々な女性たちを主人公にしたオムニバス作品
本作は、職業も年齢もバラバラで、様々なライフスタイルを送る複数の女性たちを主人公にしたオムニバス作品。衣食住のうち「食」と「住」を担うキッチンを通して、彼女たちの価値観とこだわり、日常の小さな楽しみなどを描く。全編フルカラーの可愛い絵柄が特徴だが、料理や食材、食器、調味料、小物などは細部までこだわって描かれ、引出線をつけて説明が加えられている。また、各話に登場するレシピもイラストと調理手順の文章を組み合わせ、わかりやすくなるように工夫されている。
実在人物をモデルにしたリアルなエッセイ
29歳の西野鶴子は、作るのも食べるのも大好きな女性。お店で食べた美味しかったものを研究して、家で再現することを楽しみにしている。猫と暮らす月ノ江つつじは、可愛いグラスや猫グッズをコレクションし、自分の好きな色、好きな模様でキッチンを飾りDIYを楽しむ。各話に登場するこれらの女性は作者が仲良くしている実在人物がモデルとなっている。取材でキッチンを見せてもらい話をきいているため、細かい部分まで作中に反映されている点が本作の大きな魅力である。
制作経緯
「はちみつコミックエッセイ編集部」のnoteによれば、「『キッチンに住みたい』っていうタイトルで誰か本を書かないかな?」という企画が編集部で出たことが、本作誕生のきっかけだという。真っ先にサトウユカの名前が浮かんだという編集担当が、「年齢も職業もバラバラの自立した女性数人のキッチンにまつわる話が読みたいんです。」と伝えたところ、サトウは超乗り気で快諾。さっそく図書館で30冊ほどのキッチン関連の書籍を借りた。制作に当たっては、編集担当からキャラクターの提案を受けたサトウが、それにあてはまる友人に取材をして漫画にしている。本作は、編集担当とサトウのタッグでキッチンの魅力を伝えている作品である。
登場人物・キャラクター
西野 鶴子 (にしの つるこ)
「12ヶ月のおいしいキッチン」というエピソードの主人公。美術館に勤務する29歳の女性。食べるのも作るのも大好きで、店で美味しいものに出会うと、調味料や食材を推測して脳内にインプット。家で再現することを楽しみにしている。また、様々な自家製果実シロップを揃えており、休日にお気に入りの食器と美味しい紅茶、自慢のジャムで「憧れブーランジェリーのモーニングごっこ」を楽しんでいる。
安司 エリナ (あんじ えりな)
「バランスを整えるキッチン」というエピソードの主人公。ヨガ講師をしている42歳の女性。「食事は生命エネルギー(プラーナ)を身体に取り入れることで、料理には作る人のエネルギーが加わる」という考えから、ごはん作りは機嫌よく行うことをモットーとしている。食べ物、植物、空気すべてを味方に自分のエネルギーを整えており、「ごはんを作ることは自分の身体を作ること」という考えから、感謝の気持ちを込めて毎朝キッチンを掃除する。
書誌情報
キッチンに住みたい 2巻 オーバーラップ〈はちみつコミックエッセイ〉
第1巻
(2025-01-15発行、978-4824010483)
第2巻
(2025-11-15発行、978-4824014009)







