クズなケモノは愛しすぎ

隣同士の幼なじみ、来栖葵と暁蒼真の恋愛を描いたラブコメディ。葵は看護師の母と二人暮らし。蒼真は、両親が仕事で海外にいることが多く、一人暮らしをしている。蒼真を息子同然に思っている葵の母は、蒼真の夕飯を毎日葵に作らせている。葵も人並みに恋をしたり彼氏をつくったりしたいのに、蒼真の世話係のために、理想とはかけ離れた高校生活を送っていた。そんなある日、学校で女性と遊びまくっている蒼真に、真剣な表情で迫られ、葵はファーストキスを奪われてしまう。蒼真のクズっぷりを知る葵は、彼を拒み続けるが、次第に自分の気持ちに正直になっていく。

葵は「心も体も好きな男と結ばれたい」と夢見る、普通の女子高生。しかし、幼なじみの蒼真のお世話に明け暮れ、なかなか彼氏ができない。蒼真のことはなんとも思っていないはずなのに、蒼真の色恋を目撃するとなぜか複雑な気持ちになる。一方の蒼真は、色気ダダ漏れのイケメンで、昔から来る者拒まずで多くの女性と関係を持ってきたクズなケモノ。家族のような葵を女として見ていなかったが、ある時から彼女への欲情が止まらなくなり、その思いを打ち消すために、次々と他の女性を抱いていた。しかしある日、自分の気持ちから逃げるのをやめ、葵一筋の思いを隠さなくなった。葵も蒼真を愛しているが、蒼真のこれまでの所業を知っているために素直になれない。本作はそんな二人のもどかしい恋愛を描いていく。

葵と蒼真の恋愛の障害になるのが、転校生の美少女・宇津木環と、葵たちの幼なじみ・春斗である。環は男除け、蒼真は面倒な女除けのために、交際しているフリをしていた。しかし、環はいつの間にか蒼真に対して本気になってしまう。春斗は、葵と蒼真と同じマンションに住んでいた幼なじみである。小学校卒業の時にロサンゼルスに引っ越したが、帰国してまたご近所さんになった。二人と同じ高校に通うことになった春斗は、蒼真と環のことを聞き、「蒼真には葵に迫る資格はない」と言い放つ。昔から葵のことが大好きだった春斗は、彼女への思いが募り、ついキスをしてしまう。葵と蒼真の恋は、幼なじみと転校生を加えて、複雑な恋模様を描くことになる。