クマとウサギは友達ではいられない

本作は「NTR(寝取られ)」をテーマにしており、誤解がさらなる誤解を生むキャンパス・ラブコメディ。主人公は清楚でか弱い女子大生の清夏と、チャラ男の青年、猛だが、二人は周囲からのイメージとは正反対の「本性」をそれぞれ隠し持っている。互いの素顔を知らないまま、すれ違いを繰り返しながらも、日常の何気ない出来事を通じて少しずつ惹かれ合っていく、もどかしくも純粋な恋愛模様が描かれている。

清楚な見た目とは裏腹に、不純な妄想を抱く乙女の清夏は、他人の恋人を寝取るという悪い噂が絶えない筋骨隆々のチャラ男、猛に突然声をかけられる。周囲は猛が清夏の体目当てだと同情するが、肝心の猛は噂とは正反対の、ピュアで誠実な青年だった。猛はただ純粋に清夏と友達になりたいと思い声をかけたのだ。一方、清夏は猛をチャラ男と誤解したまま、彼との肉体関係を期待していた。こうして、純情な青年と肉食系乙女、二人の思惑がすれ違い続ける奇妙な恋の攻防が始まる。

清らかな友情を望む猛と、彼に対して不純な欲望を抱く清夏。清夏は会うたびに猛を誘惑するが、純情でまじめな彼にはまったく効果がない。ある日、大学で孤立しがちな猛の姿を見た清夏は、彼が誘いに応じないのは周囲の目を気にしているからだ、と大きなカンちがいをしてしまう。このままでは埒（らち）が明かないと考えた清夏は、猛の近寄りがたいイメージを払拭するためにイメージチェンジを提案。下心を隠しつつ、あの手この手で猛との距離を縮めていく。大学生活を通じて次々と明らかになる、二人の見た目と内面の激しいギャップも、本作の大きな見どころとなっている。