裏社会との抗争とリアルな薬物の恐怖
本作は、旧陸軍が遺した最高純度の覚醒剤をめぐる密売と、それに伴う激しい抗争をテーマにしている。深い絶望を抱えた登場人物たちを中心に物語が展開される。自殺するためにSNSで知り合った三人の男女と、死の間際に祖父から重要な情報を託された伽賀は、神社の奥に隠された高純度の覚醒剤を密売し、巨額の資金を手に入れようと画策する。彼らは極道やマフィアといった裏社会の有力者たちと命を懸けた激しい抗争を繰り広げる。一方で、覚醒剤に手を染めた人々が荒廃した生活を強いられ、裏社会の悪党たちの傀儡(かいらい)となって悲惨な結末を迎える様子も、リアルに描写されている。
自殺志願者たちの運命を変えた出会い
高校1年生の白井大矢は、SNSで知り合った佐々木繭子と林十三と共に、廃寺院での合同自殺を計画していた。そんな彼らの前に、謎めいた男、伽賀が現れる。伽賀は自殺を決意した三人に特に関心を示すことなく、廃寺院の中を探り始める。やがて、白井が寺院内に残されていた暗号を解読したことで、地下から総額500億円相当の覚醒剤が発見される。ある事情からどうしても大金が必要だった伽賀は、三人に覚醒剤の売買で大金を手に入れ、自殺を考えるような境遇から抜け出さないかと持ちかける。こうして、伽賀と元自殺志願者の三人は、自らの人生を「買い戻す」ため、覚醒剤を使って裏社会との闇の取引に身を投じていく。
覚醒剤「ゴールデンドロップ」を巡る激しい抗争
のちに「ゴールデンドロップ」と呼ばれる覚醒剤を手に入れた伽賀たちは、密売人として半グレ集団の中で暗躍するブローカーの倫理や、北関東有数の裏社会の温床である「天涯町」の一角を支配する外国人のエンペラーなど、一癖も二癖もある人物たちと交渉を重ねていく。しかし、巨額の富を生み出す覚醒剤の存在を裏社会の有力者たちが見過ごすはずもなく、やがて極道幹部の金丸をはじめとする凶悪な犯罪者たちに狙われることになる。裏社会に不慣れな彼らは幾度となく窮地に陥りながらも、それぞれの長所を活かし、欲望を満たすためには手段を選ばない悪漢たちに立ち向かっていく。
登場人物・キャラクター
伽賀 レイジ (かが れいじ)
自殺を目的に集まった三人の男女の前に現れた謎の青年。元スパイである祖父から高純度の覚醒剤の所在を知らされ、大金を手に入れるために密売を企てている。極道や半グレの集団を単独で制圧できるほどの戦闘力と、危険を顧みない度胸を兼ね備え、死中に活を求める戦法で裏社会の住人たちと堂々と渡り合う。自ら行動しようとしない者には冷淡に接する一方で、一度仲間と認めた者は決して見捨てず、白井たちからも厚い信頼を寄せられている。なお、大金が必要な理由は仲間にも明かしていないが、かつてブローカーの倫理に「俺の目的は日本を買うことだ」と語ったことがある。
白井 大矢 (しらい だいや)
高校1年生の男子。妹の真珠を幸せにすることを生きがいとしていた。しかし、学校での凄惨ないじめや、母親とその恋人からの虐待により、心身共に疲れ果ててしまう。SNSで知り合った佐々木や林と共に、廃寺院の境内で自殺を図ろうとしたところ、そこで伽賀と出会い、500億円相当の覚醒剤を発見する。妹を救い、自分の人生を取り戻すために、伽賀の密売計画に加担することを決意する。パソコンと化学が大好きで、インターネット上では「メガネ」というハンドルネームで活動している。また、メタンフェミタンの構造式を軽々と解読したり、無造作に積まれた箱の数を瞬時に言い当てるなど、理数系の能力に非常に秀でており、チームの頭脳として大いに活躍する。なお、覚醒剤には「ゴールデンドロップ」という名前を付けており、これは最後の一滴を意味すると同時に、自分の人生を大きく変えたという思いが込められている。
クレジット
- 原作
- 取材協力
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草下 シンヤ , 神里 純平
書誌情報
ゴールデンドロップ 14巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2023-09-06発行、978-4065326954)
第2巻
(2023-11-06発行、978-4065336519)
第3巻
(2024-02-06発行、978-4065346167)
第4巻
(2024-04-05発行、978-4065352601)
第5巻
(2024-07-05発行、978-4065362730)
第6巻
(2024-09-05発行、978-4065368794)
第7巻
(2024-11-06発行、978-4065374504)
第8巻
(2025-02-06発行、978-4065387306)
第9巻
(2025-04-04発行、978-4065392256)
第10巻
(2025-06-06発行、978-4065399446)
第11巻
(2025-09-05発行、978-4065407967)
第12巻
(2025-12-05発行、978-4065417546)
第13巻
(2026-03-06発行、978-4065428788)
第14巻
(2026-06-05発行、978-4065438121)








