昭和30年代の埋蔵金ブーム
本作の舞台となるのは現代日本の裏社会。欲望、暴力、因縁が渦巻く極道抗争と歴史的な都市伝説である「徳川埋蔵金」の謎をミックスした点が大きな特徴となっている。物語の背景にあるのが、昭和30年代の東京で実際にあった「ゴールド・ラッシュ」とも言える騒動である。中央区銀座のストアー改築工事による残土から小判208枚と一分金60枚、中央区新川のビル改築工事現場から小判1900枚と二朱金7万8千枚が発見された他、都内だけで10件以上金銀貨が発見されて話題となった。作中では、横浜市中区亀鶴町でも現在の価値で約7億円という大量の小判が発見され、土地所有者である大仏勇ものとなる。亀鶴一家立ち上げの一人である勇が、その半分を地元に寄贈したことで亀鶴町は大きく発展。町の中心である歓楽街は「黄金街(ゴールデンガイ)」と呼ばれるようになり、亀鶴一家も地元住民から慕われる大きな組織となった。
茜組と大仏組の因縁
亀鶴一家の若頭で初代大仏組組長の勇は、10年前に57歳で突然病死した。その時遺書が残されており、本来なら組の跡目を継ぐべき若頭の茜恭介ではなく、若頭補佐の凱が二代目になった。その後茜組を立ち上げた恭介は、亀鶴一家の本部長にまで出世。それでもなお、大仏組を茜組の傘下に収めようと画策する。大仏組を継げなかった過去の因縁からだと思われていたが、本当の理由は別にあった。恭介は大仏組の敷地に400万両(現在の価値にして4000億円)の徳川埋蔵金が眠っていると考えており、その金で亀鶴一家のトップの座に就こうとしているのである。初代組長の勇は病死ではなく恭介に殺されたという事実を掴んだ凱は、その証拠を手に入れ、恭介の野望を阻止するために奔走する。こうして凱と恭介の、血まみれの内部抗争が始まる。
激化する亀鶴一家の内部抗争
徳川埋蔵金を巡る戦いは、凱と恭介の抗争に留まらない。茜組若頭の綾瀬悠真は、恭介の忠実な部下のように振る舞っているが、じつは亀鶴一家の壊滅を目論む復讐者であった。大仏組の土地は、元は悠真の母の実家のものである。都市開発に伴う地上げに遭い二束三文で強引に土地を奪われたのだが、それを仕切っていたのが亀鶴一家だった。極貧生活を強いられ惨めな最期を迎えた母の復讐を誓い、茜組に潜入しているのである。また、ひょんなことから埋蔵金の存在に気づいた亀鶴一家舎弟頭の黒塚組組長、黒塚撤秀もまた、大仏組の権利書を狙って内部抗争に参加する。こうして、極道たちの様々な思惑が交錯し、亀鶴一家の内部抗争は益々激化していく。
登場人物・キャラクター
桜井 凱 (さくらい がい)
亀鶴一家幹部で二代目大仏組組長の男性。初登場時の年齢は39歳。初代組長、勇の死後、遺言により大仏組を継いだ。学生の頃からケンカでは負け知らずという武闘派。幼少時の交通事故で顔と体に多くの傷がある。侠気に溢れた真っ直ぐな性格で、組員たちを「家族」と呼び大事にしている。初代組長、勇の娘である満里奈は幼馴染(おさななじみ)だが、39歳にして初めて結ばれた。埋蔵金を手に入れるため、先代を殺した兄貴分の恭介と敵対し抗争を繰り広げる。
茜 恭介 (あかね きょうすけ)
亀鶴一家本部長で茜組の組長の男性。初登場時の年齢は41歳。冷徹で野心的な男で、知略に長(た)ける。大仏組の元若頭で、組長の勇を殺して組を継ぐつもりだったが、遺言により目論見が外れる。大仏組事務所の敷地に眠るとされる莫大な徳川埋蔵金を手に入れ、亀鶴一家のトップに就くために策略を巡らす。
書誌情報
ゴールデン・ガイ 14巻 日本文芸社〈ニチブンコミックス〉
第6巻
(2022-06-29発行、978-4537145199)
第7巻
(2022-10-28発行、978-4537145595)
第8巻
(2023-02-27発行、978-4537146097)
第9巻
(2023-06-29発行、978-4537146615)
第10巻
(2023-10-27発行、978-4537147087)
第11巻
(2024-02-19発行、978-4537147698)
第12巻
(2025-05-19発行、978-4537172355)
第13巻
(2025-12-09発行、978-4537173321)
第14巻
(2026-05-29発行、978-4537173994)








