マニアックなバイク漫画の誕生秘話
本作はバイクをテーマにしており、イタリアの名車、ドゥカティやMVアグスタをはじめ、日本のカワサキZZR1100など多彩なバイクが登場する。作者のえのあきらは、もともと成人向けの美少女漫画を中心に描いていたが、釣り仲間を介して「サンデーGX」向けの読み切り漫画の執筆依頼を受けた。その際、「どうせ1回限りなら」と考え、「美少女が登場するマニアックなバイク漫画」を描くことを思い立ったと、コミックス第1巻のあとがきで語っている。その後、作品は好評を博し正式に連載が始まるが、本人は連載化を予想していなかったため、バイクの資料収集に苦労したとも述べている。また、制作スケジュールの都合で毎月の連載が困難になったため、編集者との話し合いの末、スピンオフ漫画『ミニじゃじゃ』が誕生した。こちらは6ページの短編漫画で、登場人物たちが昭和のバイク史を語る内容となっている。
イタリアンバイクショップ「GOBLIN」を舞台に描かれる人間模様
フリーターの青年、宮城は格安の物件に引っ越すが、そこは毎朝バイクの爆音が響き渡るイタリアンバイクショップ「GOBLIN」の2階だった。大家の娘であり、バイクショップの店主でもあるレナは、見た目はかわいらしいものの、生粋のイタリアンバイクオタクで、日々バイクイジリに精を出している。宮城はレナに好意を抱き、何かと理由をつけては1階の店舗に入り浸るようになる。そこで宮城は、古びたバイクが丁寧にレストアされていく様子や、バイクをめぐるさまざまな人間ドラマに触れていく。バイクを通じて、宮城とレナが多くの人々とかかわり合いながら絆を深めていく姿が見どころとなっている。
実在のバイクの歴史を丁寧に描写
本作では、実在するバイクの性能だけでなく、その製造背景やメーカーの歴史、構造上の特徴を巧みに物語に織り交ぜている。長期間放置されたバイクの再生や失われた部品の捜索、旧車を安全に走らせるための整備作業も具体的に描写されるほか、レースやツーリングなど用途に応じた車種の違いにも触れられている。単に希少価値だけで評価するのではなく、その車両がどのように作られ、誰に受け継がれてきたのかというバイクの歴史を重視している点も特徴であり、さまざまな視点からバイクの魅力を楽しめる構成となっている。また、単行本には作者、えのあきらが解説するコラム「PICK UP」も収録されており、より深く車両の知識を掘り下げて楽しむことができる。
登場人物・キャラクター
宮城 進武 (みやぎ すすむ)
フリーターの青年。物語開始時点での年齢は19歳。黒髪に金色のバングカラーを入れている。バイク便のライダーとして働いており、仕事用には「カワサキZZR1100」、プライベートでは「カワサキZX6R」を愛用している。住んでいるマンションの1階にあるイタリアンバイクショップ「GOBLIN」の店主を務めるレナに好意を抱いており、頻繁に店へ通っている。楽な方へ流されがちな性格で、大学受験に失敗してからは目標を持たずにフリーター生活を送ってきた。計画性に欠けるため、現在もバイクのローンや維持費に苦労している。バイクは速く走ることが重要だと考えているため、希少価値のあるイタリアンバイクには理解が薄く、レナが常連客と話している時は蚊帳(かや)の外に置かれてしまうことが多い。一方で、レーシングマシンであるエルフなどの速いバイクには強いあこがれを抱いており、その話題になるとレナと意気投合する。怠惰な面もあるが、陽気で人当たりがよいため、レナからは呆れられつつも好感を持たれ、「GOBLIN」の常連客からも何だかんだで気に入られている。
滝沢 レナ (たきざわ れな)
イタリアンバイクショップ「GOBLIN」を営む女性。外見は茶色のロングヘアが印象的な美少女だが、実年齢は20歳を超えている。宮城が住むマンションの大家の娘で、マンションの1階部分を自分の店として使用している。朝からオイルまみれになりながらバイクの整備に励んでおり、店ではツナギ姿にポニーテールというスタイルが定番。初めてイタリアンバイクのパリラの楽しさに魅了されたことをきっかけに自ら整備を始め、やがて店を開くことになった。強烈なイタリアンバイク愛好家であり、店の経営は半ば趣味の延長線上にある。壊れた車両や部品を自分の手で集めてはレストアを行い、実質的に自身のコレクションを増やしている。お気に入りのバイクは、気に入らない客には売りたくないという強いこだわりも持つ。速さだけを追求するバイクには興味を示さず、デザイン性や機構の工夫を重視している。
書誌情報
ジャジャ 39巻 小学館〈サンデーGXコミックス〉
第1巻
(2001-08-18発行、978-4091570512)
第2巻
(2002-04-19発行、978-4091570529)
第3巻
(2003-04-19発行、978-4091570536)
第4巻
(2003-12-12発行、978-4091570543)
第5巻
(2004-08-19発行、978-4091570550)
第6巻
(2005-12-19発行、978-4091570567)
第7巻
(2006-05-19発行、978-4091570499)
第8巻
(2007-03-19発行、978-4091570871)
第9巻
(2007-09-19発行、978-4091571076)
第10巻
(2008-06-19発行、978-4091571373)
第11巻
(2009-04-17発行、978-4091571731)
第12巻
(2009-12-18発行、978-4091571977)
第13巻
(2010-10-19発行、978-4091572400)
第14巻
(2011-07-19発行、978-4091572851)
第15巻
(2012-05-18発行、978-4091573070)
第16巻
(2013-03-19発行、978-4091573438)
第17巻
(2014-02-19発行、978-4091573728)
第18巻
(2014-12-19発行、978-4091574022)
第19巻
(2015-06-19発行、978-4091574190)
第20巻
(2016-02-19発行、978-4091574398)
第21巻
(2016-11-18発行、978-4091574671)
第22巻
(2017-08-18発行、978-4091574954)
第23巻
(2018-06-19発行、978-4091575302)
第24巻
(2019-01-18発行、978-4091575555)
第25巻
(2019-07-19発行、978-4091575654)
第26巻
(2020-01-17発行、978-4091575838)
第27巻
(2020-06-19発行、978-4091575999)
第28巻
(2020-11-19発行、978-4091576156)
第29巻
(2021-04-19発行、978-4091576293)
第30巻
(2021-09-17発行、978-4091576514)
第31巻
(2022-03-18発行、978-4091576736)
第32巻
(2022-08-19発行、978-4091576835)
第33巻
(2023-03-17発行、978-4091577450)
第34巻
(2023-09-19発行、978-4091577825)
第35巻
(2024-03-19発行、978-4091578181)
第36巻
(2024-09-19発行、978-4091578372)
第37巻
(2025-03-18発行、978-4091578785)
第38巻
(2025-09-19発行、978-4091578914)
第39巻
(2026-03-18発行、978-4091582201)








