『ジャックジャンヌ』の世界観
本作は、ブロッコリー発売の少年歌劇シュミレーションゲーム『ジャックジャンヌ』の前日譚を描いたスピンオフコミックである。ゲーム本編の原作、キャラクターデザイン、シナリオ、全楽曲の作詞を担当した、石田スイ自らが描いている点が大きな特徴となっている。舞台となるのは、ゲームと同じくユニヴェール歌劇学校。男子だけで「男女両役」を演じる歌劇を学ぶ学校で、男役の生徒を「ジャック」、女役を「ジャンヌ」と呼ぶ。さらにそれぞれ主役は男性が「ジャックエース」、女性が「アルジャンヌ」と呼ばれ、最高の誉れの一つとされる。ユニヴェールではクラスごとに、毎年五つの公演で互いの優劣を競う。クラスは四つで、才能の原石が集まる「クォーツ」、ジャックたちのダンスに定評がある「オニキス」、可憐なジャンヌたちの歌唱に優れる「ロードナイト」、天才肌が集まる奇才集団「アンバー」があるが、本作は主にアンバーとオニキスがメインで描かれる。
ゲーム本編以前の主要人物たちのエピソードを描く
単行本には、雑誌に掲載された『PUPPET 木偶』『PARSLAY 早芹』と、描き下ろしの『PECKER 啄木鳥』が収録されている。『PUPPET 木偶』は、奇才集団「アンバー」のジャックエースを目指す、76期の首席入学生「俺」の物語。後輩として入学してきた田中右宙為の才能に、「俺」のアイデンティティが脅かされていく様子を描く。『PARSLAY 早芹』の主人公は菅知聖治。77期の1年生、菅知はジャックエースに憧れて「オニキス」に所属する。しかし、初めての舞台で自分がパセリのような「添えもの」側の人間だと自覚する。そんな菅知が、組長の海堂岳信に見出されジャンヌに転向する過程が描かれる。『PECKER 啄木鳥』は、「アンバー」に所属していた根地黒門が「クォーツ」に転科するというショートストーリーである。本作は、ゲーム本編以前の主要人物たちのエピソードを描く群像劇となっている。
2025年4月にはYouTubeの「ヤンジャン漫画TV」で「PARSLEY」のボイスコミックを公開。ゲームのキャストと同じく菅知聖治役を植木慎英、海堂岳信役を濱野大輝が担当。ゲームの音楽を担当した小瀬村晶書き下ろしの楽曲も使用された。
登場人物・キャラクター
田中右 宙為 (たなかみぎ ちゅうい)
ユニヴェール歌劇学校77期生で「アンバー」に所属する少年。細身の高身長が特徴で、入学後の新人公演でジャックエースに選ばれ、金賞を受賞する。その後も、夏公演「我死也」でジャックエースを演じ、ユニヴェールだけではなく演劇ファンたちからも注目を集めた。秋公演、冬公演と金賞を受賞し続け、ユニヴェール歌劇の開拓者と絶賛されるようになる。
菅知 聖治 (すがち きよはる)
ユニヴェール歌劇学校77期生で「オニキス」に所属する少年。関西弁が特徴で、小学校の修学旅行で初めてユニヴェールの舞台を観てジャックエースになる夢を抱いた。しかし、入学してまもなく自分に華がないと感じ、新人公演で主役にはなれないと諦めるようになった。そんな中、夏公演で組長の海堂に、いきなりアルジャンヌに抜擢される。







