青春群像劇×クライム・サスペンス
部活内のヒエラルキーに葛藤する高校生、ヤクザ、連続殺人犯が複雑に絡み合う、青春群像劇×クライム・サスペンス。ある日、男子高校生の三井は、親友の内進次郎にフィッシング部のことを聞く。内の話では、フィッシング部は表向きで本当は秩序を守るために、自発的に結成された正義の味方「スピナーベイト」だという。「とにかく人の役に立ちたい」という内に誘われ三井は入部するが、その実態はヤクザの後ろ盾を持ち、恐喝まがいの自警行為を行う集団だった。スピナーベイトでは、犯罪者の取り締まりによって獲得したポイントで序列が決まり、上の者の命令は絶対というルールがある。三井と内は、ポイントを稼がないことが唯一の抵抗だと考え、0ポイントを貫いていた。しかし、毎日のいじめに耐えかねた内はついにポイントを稼ぎ、やがて犯罪を繰り返すようになる。一方、内にかわっていじめられる立場になった三井は、吉見健太郎という謎の男との出会いにより、街を騒がせている連続殺人犯を捜すことになる。
スピナーベイトの実態とルール
スピナーベイトの活動は、街の犯罪の取り締まりである。未成年の飲酒、駐車禁止、窃盗など、どんなものでもよいので、まずはルールを破った者を手段を選ばずに捕まえる。その後、氏名や住所、連絡先などの個人情報をリストに書かせ罰金を徴収。リストと奪った金、犯罪者の写真を部長の寺山に渡せば終わりである。その際、部員は罰金額1000円につき0.1ポイントを獲得する。スピナーベイト内の順位は、ポイントの合計によって決まるため学年は関係ない。それは絶対服従の序列で、下位の者は上の者の命令には逆らえない。なお、スピナーベイトを創設したのは寺山だが、その背後には亀貝というヤクザがおり、金とリストは亀貝のもとに集まる仕組みとなっている。
連続殺人事件の謎
三井たちが住む日之熊市では、同一犯によるものと思われる連続殺人事件により三人が犠牲になっていた。そんなある日、亀貝からスピナーベイトに「警察より先に連続殺人犯を生け捕りにしろ」という指令が下る。成功したら100万円、手がかりだけでも情報に応じたボーナスが出るという。時を同じくして、吉見という謎の男が三井の前に現れる。ある日拾った手帳に描かれていた、名前と地名を羅列したリストが日之熊連続殺人と一致すると推理した吉見は、事件を止めるため三井に協力を要請する。リストには、スピナーベイトの部員である高橋や吉見自身の名前も載っていたからである。なぜ亀貝は殺人犯を追っているのか、吉見が拾ったという手帳は本物なのか、謎をはらんだまま物語は展開していく。
登場人物・キャラクター
三井 宏太 (みつい こうた)
高校3年生のさえない男子。レンタルビデオ屋でアルバイトをしている。親友の内に誘われて「スピナーベイト」に入部するが、その実態が正義の味方のフリをした恐喝集団であることを知り、辞めたいと願う。ある日、吉見という男と出会い、成り行きで街を騒がせている連続殺人犯を捜すことになる。
内 進次郎 (うち しんじろう)
三井の親友で高校3年生の男子。三井には「うっちー」の愛称で呼ばれている。内気な性格ながら、人の役に立ちたいという思いから、三井を誘って正義の味方「スピナーベイト」に入部する。しかし、その実態は恐喝まがいの自警行為を行う集団で、序列の最下位となり毎日いじめられることになる。








