トラップヒロイン

千路田耐志は高校一年生になったばかりの15歳。彼が中学二年生の時、学校中に「男好き」と勘違いされたことがあった。それは、千路田が愛用していたゲームキャラが、ある日突然、「男の娘(女装男子)」だと発表されたせいだった。世の中は罠(トラップ)に満ちている。そう考える千路田は、黒歴史を払拭するため、わざわざ県外の高校に入学した。

入学式の朝、通学途中で千路田はセーラー服の少女に出会う。彼女の可憐な姿と仕草に、胸をときめかせる千路田。そんな彼女は、偶然にもクラスメイトだった。少女の名は小日向真で、性別は男。千路田の苦手な「男の娘」である。また、罠(トラップ)にかかった。千路田はショックを受けるが、彼の苦難はこれからだった。高校三年間を過ごす、男子寮のルームメイトが、なんと小日向真だったのだ。