ドラマティック・アイロニー

ドラマティック・アイロニー

なま子の代表作。現代日本の男女共学高校を舞台に、幼なじみの佐野千紘に片思いしていた小松理紗は、彼に恋人ができたことで失恋を経験するが、その思いをどうしてもあきらめきれずにいた。やがて理紗は、恋愛経験のないまま婚約した教師の夏生春名に対し、「本物の恋を見せる」と宣言。このことをきっかけに、複雑に絡み合う三人の感情を繊細に描いた劇的ラブストーリー。KADOKAWA「シルフ」2016年12月号から2017年9月号まで連載されたのち、同誌休刊に伴い「pixivシルフ」に移籍し2017年7月から2026年3月まで連載。さらに、2026年5月には後日談も公開されている。

正式名称
ドラマティック・アイロニー
ふりがな
どらまてぃっく あいろにー
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
シルフコミックス(KADOKAWA)
巻数
全13巻完結
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幼なじみへの片思いが三角関係に発展

理紗と千紘は、となり同士の家でいっしょに育った幼なじみ。千紘は人前でも理紗に抱きつくほど距離が近く、周囲からはまるで相思相愛の恋人同士のように見られていた。しかし、ある日突然、千紘が先輩の森日和と交際を始めてしまう。長年片思いを続けていた理紗は失恋のショックに打ちひしがれ、さらに理紗が苦手とする堅物教師、夏生からは、「受け身のままでいるから誰かに取られてしまうのだ」と厳しい言葉を投げかけられてしまう。そして、婚約者がいながら恋愛経験のない夏生は、「一時の感情に振り回される恋愛に価値はない」と理紗に追い打ちをかける。そんな夏生に対し、理紗は「本物の恋を見せる」と宣言し、千紘への思いをあきらめない決意を固めるのだった。幼なじみへの片思いを貫こうとする理紗の真っ直ぐな思いは、やがて夏生の心にも変化をもたらし、三人の関係は思いもよらない方向へと動き出していく。

禁断の三角関係と揺れる恋心

千紘に彼女ができてもあきらめきれない理紗は、夏生に恋愛相談をする機会が増え、少しずつ彼との距離を縮めていく。やがて夏生とキスを交わし、彼に惹(ひ)かれていることを自覚する。しかし、夏生は教師であり婚約者もいるため、理紗はその思いを胸の奥にしまい込もうとする。一方、千紘も理紗との距離ができたことで初めて自分の本心に気づき、恋人の日和と別れて理紗に思いを告げる。しかし、理紗の心はすでに夏生だけを求めていたが、その思いを隠して千紘を受け入れようとする。千紘もまた、自分の感情が恋愛というより執着に近いことを理解しつつ、見て見ぬふりを続けていた。そして夏生自身も、理紗に特別な感情を抱いていることを自覚しながらも、教師と教え子という立場や婚約者の存在から前に進めずにいた。理紗と夏生は何度も決別を決意するが、そのたびに互いの気持ちを断ち切れないことを痛感する。

三角関係と周囲の複雑な人間模様が織りなす恋愛ストーリー

理紗、夏生、千紘の三角関係には、周囲の複雑な人間関係がさらに深く絡み合っている。夏生の婚約者である篠崎は、彼の恩人の娘であり、周囲から結婚を急かされる中、愛情がなくても構わないと夏生に結婚を持ちかける。しかしそれは表向きの理由に過ぎず、実際には彼に強い恋心を抱いていた。そのため、篠崎は理紗の存在を快く思わず、自分と夏生の関係に理紗が入り込むたびに牽制する。一方、千紘の元恋人である日和は、千紘が理紗を特別扱いしていることに気づき、自ら別れを選ぶ。その後も千紘を忘れられずにいるが、彼の幸せを願い続ける存在となっていく。さらに、理紗のアルバイト先の先輩、野々埼は、複雑な家庭環境で育った千紘に共感し、理紗と千紘を結びつけようと行動を起こし始める。それぞれの切実な思いが交錯する中、三人の恋模様は一層複雑さを増し、最後まで目が離せない展開へと加速していく。

登場人物・キャラクター

小松 理紗 (こまつ りさ)

とある高校に通う2年生の女子。千紘の幼なじみ。万年帰宅部で、まじめな性格の持ち主。幼い頃、いじめられっ子だった千紘を何度も助けていたが、人の気持ちを考えすぎるあまり、やや受け身な一面もある。校則で禁止されている染髪をしているため、ルールに厳しい教師の夏生から目をつけられ、苦手意識を抱いている。しかし、失恋をきっかけに夏生に相談するようになり、教師としてではなく、一人の男性として心惹(ひ)かれていく。千紘からは「りっちゃん」と呼ばれている。

夏生 春名 (なつお はるな)

理紗が通う高校の男性教師。現代国語を担当している。年齢は26歳で、感情をあまり表に出さないクールな性格の持ち主。恩師の娘である篠崎と婚約しているが、それはあくまで契約上のものであり、恋愛感情はいっさいない。失恋した理紗が何度も恋愛相談に訪れるうちに、彼女が感情を隠さずありのままの姿を見せることに面白さを感じ、興味を抱くようになる。理紗からの好意を嬉しく思う一方で、まだ未熟な彼女を教師である自分が受け入れるべきではないと考え、距離を置こうとしている。

佐野 千紘 (さの ちひろ)

理紗と同じ高校に通う2年生の男子。理紗の幼なじみ。バスケットボール部のエースとして活躍しており、明るく天真爛漫(らんまん)な性格の持ち主。いつも笑顔を絶やさないため周囲には気づかれていないが、両親が不在の家庭で育ち、生まれつきの明るい髪色が原因で理不尽ないじめを受けた過去がある。そのたびに理紗に守られてきたため、公私に渡って何かと理紗に頼りがち。以前から理紗に対して恋人になりたいという気持ちを抱いていたが、恋人になればいつか別れてしまうことを恐れて、一歩を踏み出せずにいる。やがて理紗が夏生に心惹かれていることに気づくと、今度は自分が彼女を守ろうと決意し、自立に向けて行動を起こす。しかし、その前向きな変化がかえって理紗を追い詰める結果となってしまう。

書誌情報

ドラマティック・アイロニー 全13巻 KADOKAWA〈シルフコミックス〉

第1巻

(2017-01-21発行、978-4048926874)

第2巻

(2017-06-22発行、978-4048932257)

第3巻

(2018-01-22発行、978-4048935524)

第4巻

(2018-07-21発行、978-4048938853)

第5巻

(2019-01-21発行、978-4049122947)

第6巻

(2019-06-22発行、978-4049125450)

第7巻

(2019-12-21発行、978-4049129274)

第8巻

(2020-06-23発行、978-4049132403)

第9巻

(2021-07-21発行、978-4049137583)

第10巻

(2022-09-22発行、978-4049143768)

第11巻

(2025-01-22発行、978-4049150018)

第12巻

(2025-09-20発行、978-4049167016)

第13巻

(2026-06-22発行、978-4049523171)

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