ナナコロビン

「勇気があればなんでもできる」をモットーとする吉野菜子は、両親が営む「よしの食堂」の常連客でもある速水春樹の結婚式場に乗り込んで結婚式をぶち壊し、春樹の恋人で自分の姉との駆け落ちを手助けする。しかし菜子は春樹に片思いしており、複雑な感情を抱いていた。そんな中、七転高校に入学した菜子は、春樹の弟・小夏と偶然にも同じクラスになる。実は、菜子に結婚式をぶち壊された速水家は相手企業との合併が白紙となったことで会社は破綻し、小夏は住む家をなくして路頭に迷っていた。責任を感じた菜子の両親は小夏を引き取ることになり、菜子と小夏は同じ屋根の下で共に暮らすようになる。互いに反発しながらも、少しずつ惹かれ合っていく菜子と小夏のドタバタな日常生活と恋愛模様が、ギャグコメディを交えながら少女漫画風タッチで描かれる。

七転び八起きどころかいつも転んでばかりのヒロイン・菜子は、どんなトラブルにも屈しない前向きな元気いっぱいの少女。高校入学を控えた菜子は、片思いの相手で姉の恋人でもある春樹と姉の駆け落ちを成功させるべく、政略結婚させられそうになっていた春樹の結婚式場に乗り込み、彼を奪い去る。本音では春樹のことを忘れられずにいたが、彼と姉の幸せを願う菜子には、高校入学と同時に大きな変化が訪れる。春樹の弟で元ヤンキーの小夏が、菜子の両親の営む「よしの食堂」で同居することになったのだ。当初は吉野家に対して素直になれずにいた小夏だったが、菜子の提案で食堂を手伝うようになり、徐々に彼女たちと打ち解けていく。小夏はぶっきらぼうながらも優しい一面を持ち、中学時代からの先輩・楓に思いを寄せていた。

ぶっきらぼうで自分勝手な小夏と口ゲンカが絶えない菜子だったが、高校生活やよしの食堂の手伝いをとおして小夏の意外な一面を知り、少しずつ惹かれていく。そんなある日、小夏が軽音部の先輩・楓に思いを寄せていることを知った菜子は、彼への恋心を自覚しつつ、またしても好きな相手の恋路を応援するためにひと肌脱ぐことになる。しかし、両親がニコニコバンクから200万円もの借金をしていたことや、ニコニコバンクの経営者が楓の父親だと判明したことで、事態は急変する。さらにニコニコバンクの社員から、小夏と楓を別れさせたら両親の借金をチャラにすると言われて一瞬、心が揺れる菜子だったが、小夏の恋を応援し続けるとともに、小夏を楓にふさわしい王子様に変身させると宣言する。次々とトラブルに巻き込まれる二人の愛と笑いがあふれる日常と恋の行方が見どころとなっている。