巨大生物「鬼獣」が人類の脅威になっている世界
本作の舞台は、「鬼獣」と呼ばれる謎の巨大生物が、人類の脅威となっている20XX年の日本。約3年前に最初の鬼獣が現れてから、500体以上が確認されている。形状はさまざまだが、共通しているのは角があることや、街の破壊、人間への無差別攻撃といった知能の低い単純行動などである。なお、鬼獣は基本的には人間が変身した怪物である。「憎しみ」「欲望」「ストレス」などの強い感情により、首の後ろにできた腫れ物から大量の肉が溢れ出し、怪物に変身する。「家に居場所がない」「今月こそノルマをこなす」といった恨み節を叫びながら暴れるのだが、最近になって変異種が出現するようになった。変異種は人間に近い感情・知性を持ち、無害なものや人間を助けるものまで出てきている。
妹の仇を求めて旅をするスーパーなオンドリ
本作の主人公は、眼光鋭い漢気あふれるオンドリの鶏志(ケイジ)。人間並みの知性を持ち、超高速な動きで鬼獣を翻弄する。必殺技は、鬼獣の弱点である脳を超大声で破壊する「鴣鴂鶻鵁(コケコッコー)」や、その派生技である「鵰(ちょう)・鴣鴂鶻鵁」「駆流駆流(くるくる)鴣鴂鶻鵁」などである。ケイジはある鬼獣を捜して、日本中を旅している。それは、妹のサラを食ってしまった憎い鬼獣で、右首筋のアザが特徴である。ネットに出回っている「白鬼獣」という鬼獣が、仇と似ていることが判明し、ケイジは白鬼獣の手がかりを探すことになる。
旅の仲間
物語の途中から、ケイジはピヨ子やエリザベスなどの仲間と旅をすることになる。ピヨ子は、ひよこ売りのヤクザ・ヤスオの元にいたメスのひよこ。ピヨ子は「お父ちゃん」と慕っていたヤスオは鬼獣に変わってしまうが、ケイジに倒されて元の人間に戻ることができた。「お父ちゃん」を救ってくれたケイジに惚れ、ついていくことにした。一方、エリザベスは裕福な家で飼われていたメンドリ。鬼獣を倒して家を救ってくれたケイジに恋をし一夜を共にするが、ケイジはあっさりと姿を消した。乙女心を弄ばれたエリザベスはケイジと再会した際、殺そうとするが、未練のために本気になれなかった。そこで、「鬼獣を全滅させる」という彼女の本来の目的のため、ケイジと共に旅をする決意を固めた。
登場人物・キャラクター
鶏志 (けいじ)
目付きが鋭いオンドリ。「鬼獣」にも対抗できる身体能力の持ち主だが泳ぎは苦手。「鴣鴂鶻鵁(コケコッコー)」などの必殺技を持ち、妹を食った「鬼獣」を捜して旅をしている。しばしば発情期になり、激しくメンドリを求めるが、ほとんどが一夜限りの関係に終わっている。「超絶トサカにくるぜ!!」が口癖。ウニが大好物。ピヨ子からは「ダンナちゃん」と呼ばれている。
ピヨ子 (ぴよこ)
メスのひよこ。ひよこ売りのヤクザを「お父ちゃん」と呼んで慕っており、背中に「仁義」の文字をマジックで書いてもらった。以来、義理と人情を大事にする「仁義」が行動の指針となる。お父ちゃんを救ってくれた鶏志(ケイジ)に惚れて、彼の旅に同行する。ケイジを「ダンナちゃん」と呼び、将来お嫁さんになることを決めている。
エリザベス
ハイテクを使いこなすメンドリ。裕福な家庭で育ったためさまざまな知識や技術を得ており、スマホを使って人間と会話も可能。かつて、鶏志(ケイジ)に恋をするが、一夜で捨てられたことを恨んでいる。1000万ボルトの電流を流す「サンダー・バトン」を武器に、「懴鴕鴉雌鶏(サンダアバード)」などの必殺技を放つ。鬼獣を全滅させるため、ケイジと一緒に旅をする。
書誌情報
ニワトリ・ファイター 8巻 ヒーローズ〈ヒーローズコミックス〉
第8巻
(2024-08-05発行、 978-4864682749)
ニワトリ・ファイター 9巻 ヒーローズ〈ニワトリ・ファイター〉
第9巻
(2025-01-06発行、 978-4868050285)