ハコイリのムスメ

ハコイリのムスメ

池谷理香子の代表作の一つ。現代日本を舞台に、資産家の孫で世間知らずの箱入り娘、園田珠子が、ひょんなことからツンデレ男子の津川紀之と許嫁(いいなずけ)同士になる。珠子が東京での同居生活を通じて、ただ守られるだけの存在から人間的に成長し、自立していく姿を描いたヒューマンドラマ。集英社「Cookie」2015年5月号から2021年11月号まで連載。2015年に第6回「ananマンガ大賞」準大賞を受賞している。

正式名称
ハコイリのムスメ
ふりがな
はこいりのむすめ
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
 
同棲
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全13巻完結
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偽装婚約と東京での同居生活

珠子は祖父に大切に育てられ、箱入り娘として愛されてきた。ある日、彼氏が東京の専門学校に進学することを知った珠子は、自分も東京へ行きたいと祖父に直談判するが、あえなく断られてしまう。そんな中、祖父に資金援助を求めていた料亭「つがわ」の跡取り息子で、東京の大学に進学する秀才、紀之と出会う。珠子が祖父に「つがわ」への援助を頼んだことで、祖父は珠子が紀之に好意を抱いていると誤解し、津川家を助ける代わりに二人を許嫁にすると決めてしまう。珠子は大学卒業後に婚約を破棄することを条件に、紀之へ偽装婚約を提案し、紀之も実家への資金援助のために渋々それを受け入れる。こうして珠子は念願の上京を果たし、二人の東京での同居生活が始まった。

異なる価値観が織りなす恋愛感情

東京の大学に進学した珠子は、早々に彼氏にふられてしまう。大学での4年間を過ごしたあと、卒業と同時に実家に戻り、家族のために結婚する覚悟を決めていた珠子は、残された自由な4年間で素敵な恋人を見つけ、思いきり恋愛を楽しもうと心に誓う。当然ながら、紀之はその対象には含まれておらず、お互いに恋愛対象として意識しないようにしていた。しかし、同じマンションで家族のような生活を送るうちに、二人のあいだに次第に淡い恋心が芽生え始める。育ってきた環境も恋愛観もまったく異なる珠子と紀之だが、その価値観の違いや衝突が、結果として二人の関係を深めるスパイスとなっていく。

偽装婚約から始まった絆と葛藤

やがて、珠子と紀之は正式に交際を始める。家族の秘密や将来への不安、時には魅力的な異性に対する一瞬のときめきといった困難を乗り越えながら、二人は絆を深めていく。当初は園田家に婿入りし、園田家が経営する会社に勤めることに抵抗を感じていた紀之も、珠子と共に生きるためにその決断を受け入れる。しかし一方で、珠子は祖父の気まぐれでいつでも津川家を取り潰せるという歪(ゆが)んだ力関係に疑問を抱き、紀之を守るために婚約の見直しを考え始める。打算的な偽装婚約から始まった二人の恋愛が、どのような結末を迎えるのかが、本作のクライマックスを飾る最大の見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

園田 珠子 (そのだ たまこ)

資産家として知られる園田家の跡取り娘であり、紀之の許嫁。茶髪のショートボブにしている。幼稚園から地元の名門お嬢様学校、華岡女学院に通い、小中学校時代は習い事漬けの日々を送ってきた。門限は厳しく、友人との宿泊は禁止されており、花火大会などの外出も家族同伴でなければ許されない環境で育ったため、非常に世間知らずな一面がある。東京の専門学校に進学する彼氏を追いかけるため、祖父から進学の許可を得る口実として紀之に「偽装婚約」を提案。現在は紀之と同じ東京の大学に通い、周囲には遠い親戚だと偽っている。なお、念願の上京を果たしたものの、当初の目的だった彼氏には早々にフラれてしまい、さらに持ち前の警戒心の薄さから危険な目に遭いかけたこともある。和食料理が得意で自炊もそつなくこなすが、生まれて初めて食べたカップ麺に感動して以来、大学生活では頻繁に食べるようになった。また、護身術として実践的な武術を習得している。

津川 紀之 (つがわ のりゆき)

料亭「つがわ」の長男であり、珠子の許嫁。パーマのかかった黒髪で、友人たちからは「紀」と呼ばれている。幼い頃から成績優秀でスポーツも得意なうえ、弟の面倒をよく見る孝行息子として周囲から高く評価されている。珠子の祖父から実家への資金援助を得るため、彼は珠子の提案した「偽装婚約」を受け入れた。現在は珠子と同じ東京の大学に通っているが、学内では遠い親戚という設定で通している。面倒見がよく、珠子のことを妹のように思っており、女子校育ちで世間知らずな彼女が異性とのトラブルに巻き込まれないか、つねに気にかけている。もし婚約を正式に継続することになれば、園田家に婿入りし、同家が経営する会社に勤めることが決まっている。

書誌情報

ハコイリのムスメ 全13巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2015-09-25発行、978-4088454535)

第2巻

(2016-03-25発行、978-4088455464)

第3巻

(2016-10-25発行、978-4088456560)

第4巻

(2017-04-25発行、978-4088457505)

第5巻

(2017-12-25発行、978-4088458724)

第13巻

(2022-01-25発行、978-4088446141)

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