ハツコイメイズ

ある日、同じ高校の同級生である誠から突然告白されたこころ。面識のない相手からの申し出に戸惑い、一度は断ろうとするが、部活動に真剣に取り組む誠のひたむきな姿に心を惹かれ、彼のことをもっと知りたいと思い交際を始める。恋愛に不慣れなこころは、誠の一途な愛情に触れ、共に過ごす時間の中で次第に彼に恋している自分に気づく。しかし、両想いでありながらも二人とも恋愛初心者のため、どう距離を縮めればいいのかわからずにいる。そんなもどかしくも甘酸っぱい恋の行方が、本作の大きな見どころとなっている。

こころは、おっとりとした性格で、親しい友人と静かに過ごすことを好む女子高生。一方、誠はテニス部で活躍する人気者で、いつも多くの仲間に囲まれている。まるで正反対の二人だが、実は恋愛経験がまったくないという共通点があった。初めての交際は戸惑いの連続で、こころは誠の名前を呼ぶだけで顔を真っ赤にし、誠は彼女への思いが強すぎて空回りばかりしている。好きという気持ちをうまく伝えられず、もどかしい日々を送っている。それでも誠は、忠犬のような一途さで、不器用ながらもこころに変わらぬ愛情を注ぎ続ける。

高校生のこころは、自分の将来について深く考えたことがなく、漠然と誠のお嫁さんになりたいと夢見てはいたものの、ただ日々をなんとなく過ごしていた。しかし、父親と同じ業界で働くことを目指し、進路を真剣に考え始めた誠や、服飾コンクールで出会った吉浦凛と奏から刺激を受け、将来の目標を見つけるためにアルバイトを始める。また、これまでなんでも頼っていた親友のミカを、今度はこころが助けるなど、これまでにない積極的な姿勢を見せるようになる。受け身だったこころが、誠との出会いをきっかけに成長していく様子が本作の魅力となっている。