女子高生と刑事が難事件を解決に導く
七転警察署の刑事課に勤務する切鮫は、ある日、飛び降り自殺の現場に急行する。ほかの刑事たちは状況から事件性はないと判断したが、偶然居合わせた女子高生の鶫は切鮫を引き止め、この事件は計画的な殺人だと主張する。言葉を発することなくスケッチブックで論理的に状況を説明する鶫に触発され、切鮫も他殺の可能性を考え始めた。やがて鶫はみごとに真犯人を突き止めるが、逆上した犯人に襲われてしまう。そんな鶫を切鮫が身を挺(てい)して救ったことをきっかけに、彼女は切鮫に結婚をせまるようになる。「高校生との結婚は無理だ」と拒否する切鮫だったが、鶫の一途(いちず)な思いは止まらず、ついには婚姻届を持参して同棲生活が始まる。そんな二人の前に、隣室の監禁犯やテーマパークの爆弾魔など、次々と難事件が立ちはだかる。鶫は持ち前の洞察力と推理力、そして切鮫は行動力と刑事の勘を武器に、協力して事件を解決へと導いていく。
ミステリアス女子高生は超一途
鶫は、喜怒哀楽を表に出さないミステリアスな女子高生。言葉を発することはなく、つねに手にしたスケッチブックに絵や文字を書いてコミュニケーションを取っている。並外れた観察力と推理力を持ちながらも、絵の腕前が致命的に拙いため、切鮫をはじめ周囲の人々に真意が伝わらないことも多い。それでも、絵で自分の気持ちや考えを伝えることに強いこだわりを持ち、時には周囲を混乱に巻き込んでしまう。一方で、切鮫がかかわるとまるで別人のように行動力を発揮し、勝手に同棲を始めたり、容赦なく外堀を埋めたりと手段を選ばない。ふだんの鶫のクールな佇(たたず)まいと、誰よりも一途な恋心とのギャップが、本作の大きな見どころとなっている。
過去の惨劇により声を失った少女
鶫が言葉を発しないのは、生まれつきのことではない。実は、幼い頃に自宅に侵入した何者かによって両親を惨殺されるという凄惨な過去を持ち、母親から「クローゼットに隠れて、絶対に声を出してはいけない」と言われた鶫は、その約束を守り続けた結果、両親の死を目の当たりにしながら何もできなかった絶望とトラウマから、声を失ったという経緯がある。事件は犯人とされた人物が逮捕されたものの、取り調べ前に自殺しており、鶫は真犯人が別にいると今も疑い続けている。一方、あの日の目撃者である鶫が生きていることを知った真犯人も、彼女の命を狙い行動を開始する。数々の難事件に挑みながら、自らも命を狙われる鶫にとって、どんな時も味方でいてくれる切鮫は、唯一心を許せる絶対的な存在となっていく。
登場人物・キャラクター
切鮫 鋭二 (きりさめ えいじ)
七転警察署の刑事課に所属する独身男性。階級は警部補で、年齢は40歳。仕事に熱心なあまり、長らく恋愛から遠ざかっていた。ある事件をきっかけに鶫から結婚をせまられ、押しかけられる形で同棲生活を始めることになる。当初は鶫に早く帰宅するよううながしていたが、いっしょに事件を解決し、生活を共にするうちに彼女がかけがえのない存在になっていく。ただし、その感情には異性としての恋心だけでなく、保護者のような思いも入り混じっている。なお、過去の事件で背中に大きな傷跡が残っている。
梔子 鶫 (くちなし つぐみ)
高校3年生の女子。年齢は18歳。小柄でかわいらしい容姿をしており、同じ学校の男子から何度も告白を受けている。言葉は発さず、代わりにスケッチブックに文字や絵を描いてコミュニケーションを取っている。ふだんは比較的常識人だが、一途に思いを寄せる切鮫のことになると、大胆な行動に出ることが多い。切鮫と一日も早く結婚したいという強い思いから、周囲に隠すことなく婚約者として振る舞っている。
クレジット
- 原作
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椹木 伸一
書誌情報
ペンと手錠と事実婚 7巻 白泉社〈ヤングアニマルコミックス〉
第1巻
(2023-08-29発行、978-4592164081)
第2巻
(2023-10-27発行、978-4592164098)
第3巻
(2024-04-26発行、978-4592164104)
第4巻
(2024-11-28発行、978-4592164647)
第5巻
(2025-04-28発行、978-4592164654)
第6巻
(2025-10-29発行、978-4592167266)
第7巻
(2026-04-28発行、978-4592167273)








