ホームルーム

ホームルーム

作者・千代の代表作。現代日本を舞台に、イジメられっ子の女子高校生・桜井幸子が、いつも自分を助けてくれる担任教師の愛田凛太郎に思いを寄せるようになるが、凛太郎と幸子自身の中にある狂気に気づき、さらなる狂気に染まっていく姿を描いた学園サイコラブストーリー。講談社「コミックDAYS」で2018年3月1日から2020年2月20日まで連載。2020年1月から3月にかけて、テレビドラマ版『ホームルーム』が毎日放送系列局で放送された。桜井幸子を秋田汐梨、愛田凛太郎を山田裕貴が演じている。

正式名称
ホームルーム
ふりがな
ほーむるーむ
作者
ジャンル
恋愛
 
サスペンス
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
全8巻完結
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ヒロインをいじめる犯人は意外な人物

女子高校生の桜井幸子は、毎日クラスで陰湿ないじめを受けていた。そんな幸子に担任の愛田凛太郎はつねに寄り添い、幸子にとって凛太郎はまさに救世主のような存在ながら、実は幸子をいじめているのは凛太郎本人だった。いじめの理由は凛太郎自身をヒーロー、幸子をヒロインに見立て、一方的な疑似恋愛関係を楽しむためだった。しかし、幸子もまた凛太郎に恋愛感情を抱いており、幸子も凛太郎の想像を超えた不可解な行動を取るようになる。

イケメン熱血教師は歪んだ性癖を持つ

爽やかイケメン教師凛太郎は、多額の借金を残して蒸発した父親の借金に追い詰められる形で、母親が自殺したという凄絶な過去を持つ。その経緯もあって弱者を救うヒーローにあこがれており、凛太郎自身がヒーロー然とした行動を取るために、自らの手で幸子を不幸に突き落とし、それを自分が救済する自作自演の救出劇を繰り返すことに、喜びを見いだしていた。そのため、自分以外の誰かが幸子をいじめたり、好意を抱いたりするとひそかに激怒し、その人物を特定するために常軌を逸した行動を取るようになる。

登場人物は全員サイコパス

本作は凛太郎以外にも、歪んだ性癖を持つ人物ばかりが登場する。凛太郎が救世主のごとく現れて助けてくれることに快感を覚え、自ら不幸を自作自演するようになっていく幸子や、凛太郎との性行為に固執して幸子をライバル視する養護教諭の椎名恵、大人を敵視して社会的に抹殺することに快楽を覚える夏目ゆあなど、常識では考えられない行動を取る登場人物たちによって、ストーカー視点の物語が予想外の方向へと進んでいく。

登場人物・キャラクター

桜井 幸子 (さくらい さちこ)

とある高校に通う3年生の女子。長い黒髪をうなじでまとめ、黒縁眼鏡をかけている。化粧っ気がなく地味な見た目で、周囲からは「ガリベン女」と呼ばれている。しかし、スタイル抜群の巨乳の持ち主で、一部の男子生徒から人気がある。母子家庭だが、母親からネグレクトを受けており、ほぼ一人暮らしの状態。瞬間接着剤で椅子に固定されるなど、日々クラスで陰湿ないじめを受けている。イジメられる度に優しく手を差し伸べてくれる愛田凛太郎に恋愛感情を抱いている。そんな中、いじめが少なくなってからは、自らいじめを自作自演し、凛太郎との接点を持つために画策している。また、凛太郎が養護教諭の椎名恵と親密な関係にあるとカンちがいし、恵を物理的に排除しようと考え始める。

愛田 凛太郎 (あいだ りんたろう)

桜井幸子が通う高校で、英語を担当している男性。爽やかな印象で容姿も整っているため、女子生徒に人気が高く、男子生徒や教師からの信頼も厚い。しかし、その見た目に反してストーカー気質で、盗聴や全裸で幸子の部屋に侵入するなど犯罪行為にも手を染めている。化粧をしている女性を毛嫌いし、「加工物」と呼んでいる。幼少期に母親が自殺したことから、弱者を守るヒーローにあこがれを抱いていたが、幸子がネグレクトを受けている孤独な身の上であることを知り、自分にとってのヒロインだと確信し、歪んだ愛情を持つようになる。ヒロインは不幸の身の上でなくてはならず、ヒーローはヒロインを助けるものだという固定観念にとらわれており、愛田凛太郎自身が幸子にイタズラして自分で救うという、自作自演の救出劇を繰り返している。幸子に近づく男性や、自分と幸子を引き離そうとする人物には容赦がなく、あらゆる手段を使って排除しようとする。幸子以外の女子生徒からは「ラブリン」と呼ばれている。

書誌情報

ホームルーム 全8巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2018-07-11発行、 978-4065120194)

第8巻

(2020-05-13発行、 978-4065195482)

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