ボーイッシュ彼女が可愛すぎる

あきらと大地は、同じ小学校に通い、同じ柔道場で共に稽古を重ねてきた幼なじみ。別々の中学校へ進学するタイミングで大地が思いを告げ、二人は恋人同士となった。大地は、まるで男友達のようにあきらと接し、道場での負けん気の強さを「かっこいい」と感じていた。しかし、あきらの高校の文化祭で、かわいらしいメイド姿の彼女を目にしたことで、その印象が少しずつ変わり始める。それ以来、大地は彼女の内に秘めた柔らかな一面に改めて気づき、ますます愛おしさを募らせていく。

かわいらしいファッションやメイクが苦手なあきらは、ふだんは女の子らしいものから距離を置いている。運動神経が抜群でサバサバとした性格もあって、周囲からは「かっこいい」と思われることが多い。しかし、高校生になって大地と恋人同士になってからは、彼に「かわいい」と思われたいと願うようになり、万が一見られてもいいようにフリルのついた下着を身につけたり、苦手な料理に挑戦したりと、不器用ながらも一途に努力を重ねていく。「自分のキャラクターではない」と素直になれず葛藤しながらも、大地のために奮闘するあきらの健気でキュートな姿こそが、本作の大きな見どころとなっている。

二人の周囲の人々は、なかなか進展しないあきらと大地の関係にやきもきしながらも、時には二人の姿に胸をときめかせている。たとえば、柔道大会で優秀な成績を収めるあきらの大ファン、熊谷ゆらは、ふだんボーイッシュなあきらのかわいらしい一面にいち早く気づき、日々キュンキュンしている。その「かわいさ」を愛でる大地とは話が合うため、あきらからは当初「恋のライバル」と誤解されてしまう。また、ゆらの兄であり柔道のライバルでもある仁は、二人のカップルを熱烈に応援するサポーターで、彼らのささいなやり取りをこっそり見ては胸をときめかせ、それを日々のトレーニングの励みにしている。さらに、あきらと大地の共通の友人、麗奈は、高校生とは思えないほど純粋な二人の交際に驚きつつも、温かく応援している。