対照的な二人の優しい時間
近藤はつねに周囲からどう見られているかを意識し、他人の意見や価値観に合わせて行動してしまう。一方、高橋は他人の視線をまったく気にせず、自分のやりたいことに素直に向き合っている。本作では、正反対の性格を持つ二人が、穏やかで優しい時間の中で少しずつ距離を縮め、不器用ながらも青春を謳歌(おうか)する姿が描かれている。
近藤と高橋の微妙な恋愛感情
近藤と高橋は、お互いに言葉では言い表せない複雑な感情を抱いている。相手がほかの異性と話すのを見ると胸がざわつき、ふと手が触れ合うと慌ててしまう。その感情は恋愛と呼ぶにはまだ淡く、友情と呼ぶにはどこか華やかで、二人の繊細な心の動きや行動は微笑ましく、多くの読者を魅了している。
マイペースな高橋がつなぐ中学生たちの成長
非常にマイペースな高橋だが、その影響を受けるのは近藤だけではない。思ったことをはっきり口にする一軍女子の橘や、教師からも警戒される不良生徒の新田、そして他人との接触を避けがちな写真部の女子三人組も、良い意味で高橋のペースに巻き込まれていく。少しずつ周囲と自分の物の見方の違いを受け入れ、その違いを楽しめるようになっていく中学生たちの成長も、本作の大きな見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
近藤 (こんどう)
中学3年生の女子。高橋のクラスメイト。つねに周囲の目を気にしており、できるだけ他人に溶け込み、目立たないように過ごしたいと考えている。繊細で自己卑下しがちな一面があり、一度恥をかいたと思い込むと、そのことを長く引きずってしまうタイプ。高橋のことはダサい人間だと思い、できるだけかかわらないようにしていたが、英語の授業でペアを組んだことをきっかけに彼の人柄に触れ、次第に好意を抱くようになる。
高橋 (たかはし)
中学3年生の男子。眼鏡をかけている。近藤のクラスメイト。とにかくマイペースな性格で、誰もが二度見してしまうほどの寝癖を気にせずに登校している。地味な印象を与えるが、他人と壁を作らず、誰とでも物怖(ものお)じせずに話すことができる。また、手品や腹話術、バルーンアートなどの多彩な一発芸に秀でている。近藤に対しては言葉にできない、むずがゆいような感情を抱いているが、それが何なのか自分でも理解できていない。
書誌情報
マイペースと歩く 2巻 新潮社〈バンチコミックス〉
第1巻
(2025-04-09発行、978-4107728104)
第2巻
(2025-11-08発行、978-4107728845)
マイペースと歩く 3巻 新潮社
第3巻
(2026-05-09発行、978-4107729378)








