「マリッジブルー」ならぬ「マリッジグレー」
直継は、ごくふつうの34歳の会社員。一方、妻の憙乃は21歳で、誰もが認めるかわいらしい美女であり、倹約家の良妻でもある。自己評価の低い直継は、なぜ自分にこれほど憙乃が思いを寄せてくれるのか理解できずにおり、13歳という年の差を乗り越え、積極的に好意を示してくれる彼女を愛しつつも、心のどこかで疑念や不安を抱え続けている。直継はこの心境を「マリッジブルー」ならぬ「マリッジグレー」と称しており、この感情から生まれるドタバタ劇が、本作の大きな見どころとなっている。
憙乃の一途(いちず)な愛
直継に一途な愛情を注ぐ妻の憙乃は、彼を喜ばせるために自分磨きや家事にいっさい手を抜かない。しかし、その完璧すぎる「理想の女性像」がかえって直継の疑念に拍車をかけていることには、憙乃自身まったく気づいていない。実は高校時代、地味な容姿だった憙乃は愛犬を通じて直継と出会っており、彼に思いを寄せるようになった。それ以来、親友の沢垣翔の助けを借りながら女性としての魅力を磨き、見違えるほどの美しい女性へと変貌を遂げたという経緯がある。物語では、直継と憙乃のラブラブな日常と共に、憙乃のひたむきな過去も描かれ、直継が抱える「マリッジグレー」が単なる杞憂(きゆう)であることが徐々に明らかになっていく。
心優しい登場人物たちが紡ぐほのぼのストーリー
直継は誰よりも妻を大切に思い、彼女が嫌がることは決して自分に許さない誠実な男性。そして、そんな彼に一途な思いを寄せる妻の憙乃。さらに、高校時代に名前と顔しか知らなかった直継に恋をした憙乃の気持ちを否定せず、彼女が美しくなるための手助けをした親友の翔など、本作に登場するのは心優しい人物ばかり。時には直継や憙乃の友人や、過去に因縁のあった人々のエピソードも挿入されるが、いずれも彼らが恋愛や家族の関係を見つめ直し、勇気を持って前向きに成長していく姿が描かれている。どのエピソードも心温まる爽やかな読後感をもたらしてくれる点が、本作の大きな魅力となっている。
登場人物・キャラクター
槌岡 直継 (つちおか なおつぐ)
憙乃の夫。年齢は34歳。ごくふつうの会社員で自己評価はやや低く、社会人になってからは誰に対しても敬語で接しており、それは妻の憙乃に対しても変わらない。出会って半年で憙乃からの積極的なアプローチを受け、結婚したばかりの新婚。妻を心から愛し大切に思う一方で、なぜ自分のような平凡な男にこれほど完璧な女性が好意を抱いたのか理解できず、彼女の真意を測りかねている。その思いは表には出さないものの、「疑念」の域にまで達しており、時おりよからぬ妄想にとらわれて青ざめることもある。実は憙乃が高校生の頃に出会っていたが、彼女の容姿が当時と大きく変わっているため、そのことにはまったく気づいていない。
槌岡 憙乃 (つちおか よしの)
直継の妻。年齢は21歳。専門学校在学中に、直継の会社で短期アルバイトをしていた。かわいらしい顔立ちと抜群のスタイルを持ち、ふわふわとつかみどころのない性格ながらも、明るく仕事熱心で社内でも非常に人気があった。働き始めて間もなく直継に積極的にアプローチし、半年後には結婚に至った。実は高校時代は地味な外見だったが、その頃に出会った直継の優しく穏やかな人柄に惹(ひ)かれ、自分磨きを重ねた末に彼の勤める会社に押しかけたという経緯がある。憙乃自身も直継に負けず劣らず彼に夢中だが、思いが強すぎるあまり自分の感情を抑え込んでしまうことがあり、それが結果的に直継の疑念を煽(あお)る原因となっている。旧姓は「金森」。
書誌情報
マリッジグレー 7巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2021-11-19発行、978-4088921518)
第2巻
(2022-04-19発行、978-4088922874)
第3巻
(2022-10-19発行、978-4088924793)
第4巻
(2023-06-19発行、978-4088926995)
第5巻
(2024-01-18発行、978-4088930787)
第6巻
(2024-05-17発行、978-4088932934)
第7巻
(2024-12-18発行、978-4088934181)








