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ある日、東京都内で上原あけ美という女性の惨殺死体が発見される。現場の状況から、被害者は犬を使った私刑によって殺害された可能性が浮上し、警視庁捜査一課の久志は、犯人が被害者に対して強い恨みを抱いていると推測する。その矢先、堤優一という青年が何者かに殺害され、その痕跡から、この事件があけ美の事件と同一犯によるものであることが判明する。捜査を進める中で、あけ美と優一、そして現在は行方不明となっている小泉勤が、かつて死刑判決が下された「幼女樹脂詰め事件」の裁判員を務めていたことが明らかになる。さらに、久志は1週間前に家を出た妻の遥が、同じ事件の裁判員であったことを思い出す。遥の命が危険にさらされていると考えた久志は、犯人よりも先に彼女を保護しようと奔走する。

警視庁捜査一課では、現在進行中の連続猟奇殺人事件が、幼女樹脂詰め事件の裁判と関連している可能性があるため、死刑判決を受けた被告人の大橋茂の復讐ではないかと推測していた。しかし、久志は、あまりにも猟奇的な犯行手口から、復讐心以外の動機も考えられるのではないかと疑念を抱いていた。そんな中、久志の前にカエルの覆面をかぶった男が現れ、自らが幼女樹脂詰め事件の真犯人であると名乗り出る。歪んだ承認欲求と加虐嗜好を持つ蛙男は、「裁判員や裁判官が無能なせいで、自分の芸術犯罪を横取りされた」という身勝手な理由から、残虐な手口で殺戮を繰り返していた。さらに、久志を苦しめるため、彼の同僚である西野純一を殺害し、妻の遥と息子の翔太の二人を人質に取り、久志をおびき出そうとするなど、悪逆無道の限りを尽くす。

久志は、私情による行動が懸念されたため、捜査一課から猟奇殺人事件の担当を外されてしまう。しかし、同僚が蛙男に殺害され、さらに遥と翔太が拉致されたことで、久志はいっさいの躊躇を捨て、単独で捜査を開始する。殺人事件が雨の日に発生していることから、蛙男が極度の日光アレルギーであることに気づき、久志は通院記録を調べて蛙男の正体が霧島早苗であることを突き止める。その後、久志は霧島の自宅に乗り込むが、彼の行動を見抜いていた霧島は奇襲を仕掛け、久志を昏倒（こんとう）させて別室に監禁する。さらに、遥と翔太の命と引き換えに、久志に無理難題を突きつける。妻子を取り戻すため、久志は圧倒的に不利な状況の中で霧島に立ち向かう。