ヨメクラ

主人公・多賀零次の母である多賀葵は、政治家や教育者として町の発展に尽くした有名人。零次はそんな葵の遺言に従い、かつて葵が創立した多賀学園の1年F組に転入する。そこで彼を待ち受けていたのは、8人の婚約者候補。息子が将来寂しい人生を送らないようにと、葵が零次のために婚約希望者を集めたクラスだった。あまりのことに零次は「ドッキリ」を疑うが、すべて現実だった。おまけに、彼女たちとは寮も一緒。転入初日にさっそく風呂場で、裸で鉢合わせるハプニングにも見舞われる。学校で寮でキャンプで、ハプニングに満ちた零次の高校生活が始まった。

婚約者候補の8人は、さまざまな理由で婚約者に立候補している。正統派の美少女・一之瀬未羽は、小学校3年生の時に零次に優しくされ、以来恋心を抱き続けている。ヤンキー風の美女・七曲京は、零次の母・葵のおかげで進学できたことに恩を感じ「ヨメクラ」に入った。10歳の天才少女・五十嵐亜音の目的は、天才・葵のDNAを受け継ぐ零次と結ばれ「神の子」をつくることである。零次と高校生活を送るうち、彼が優しく紳士的であることを知った婚約者たちは、たった一人の花嫁に選ばれるため、いっそう激しい争奪戦を繰り広げる。

婚約者候補のうち、二階雪奈だけは目的が違った。雪奈は零次のことを、勝手にろくでなしのエロ野郎だと決めつけていた。小学生の頃から親友の未羽が婚約者に立候補すると聞き、彼女を零次から守ろうと一緒に「ヨメクラ」に入ったのだ。しかし、現実はなかなかうまくいかない。零次を未羽以外の女性とくっつけようとして、自分が彼とエッチなシチュエーションに陥ってしまうことも少なくなかった。そうこうするうちに、零次が婚約者たちの気持ちを無下にせず、真面目に向き合おうとしていることを知る。優しくて誠実な零次に、雪奈は次第に惹かれるようになる。