『リンナ警部は呼吸ができない』のリブート作品
本作は、あららぎあゆねの『リンナ警部は呼吸ができない』を一から再構築したリブート作品となっている。元作品は、一迅社「月刊ComicREX」で2016年12月号から2018年2月号まで連載された。連載終了後には、あららぎあゆねが主宰する同人サークル「Over:Δ」から、同作の後日談を描いた「同人版」が発表されている。本作は連載開始当初、『鋼鉄のリンナは××されたい』というタイトルだったが、第3話より現在のタイトルに改題された。旧作の設定やキャラクターの特徴が随所に残されており、前作の読者にとっても一層楽しめる内容となっている。
エリート刑事と私立探偵のラブコメディ
冷静沈着でまじめなリンナは、若くして警部に昇進したエリート刑事であり、自ら現場を指揮し、数々の難事件を解決してきた。しかしある日、私立探偵のメイシに一目惚れしてしまう。これまで恋愛とは無縁だったリンナは原因不明の動悸(どうき)に戸惑い、その正体を探るためにメイシに調査を依頼する。すると彼から、動悸の正体は「恋」であると告げられ、さらに「恋人として付き合ってみないか」と提案される。リンナはこの感情が本当に恋なのか確かめるため、その申し出を受け入れるのだった。本作は、恋を知らなかった少女とお人好しな青年が少しずつ距離を縮めていく過程を描いたラブコメディであり、寄り道をしながらも着実に関係を深めていく二人の姿が見どころとなっている。
リンナの成長と恋愛模様
「現代犯罪対応特化捜査本部」に所属するリンナは、仕事では非常に優秀である一方、恋愛に関しては極めて不器用で、空回りしたり些細なことで一喜一憂したりと、年頃の少女らしい一面を見せる。また、メイシの妹、六反田アイリや、リンナの母親であるカリンといった、二人の関係に波風を立てる個性的な人物も登場する。さまざまな出来事や恋愛トラブルを経験しながら、自分の感情と向き合い、少しずつ成長していくリンナの姿が丁寧に描かれている。
登場人物・キャラクター
六反田 メイシ (ろくたんだ めいし)
六反田探偵事務所に勤める私立探偵の青年。跳ねた黒髪の癖毛と大きな瞳が印象的な童顔の持ち主。両親も探偵であり、高校生の頃からアルバイトとして実務に携わってきたが、優しすぎる性格が災いし、目の前の困っている人を優先しては失敗を繰り返している。現在は警察の「現代犯罪対応特化捜査本部」に「雇用探偵」として協力しているものの、そこでも空回りが続き、同僚の警察官からは無能扱いされている。かつて人助けに奔走し過労気味だった際、リンナに救われた経験があり、彼女の役に立ちたい一心で雇用探偵となった。のちに体調不良を訴えた際には、自分の思いを打ち明け、彼女に恋人として付き合うことを提案している。
一式・リンナ・ミルフォード (いっしき りんな みるふぉーど)
「現代犯罪対応特化捜査本部」に所属する警部の女性。年齢は17歳。日本人とイギリス人のハーフで、腰まで届く長い金髪と凛(りん)とした立ち振る舞いが印象的な才女。飛び級により大学を首席で卒業し、若くして警部に抜擢された。冷静沈着かつ堅実な手腕から「鋼鉄のリンナ」と呼ばれている。軽薄な態度を嫌い、容姿を褒められることも苦手なため、これまで恋愛とは無縁だった。しかし、メイシに一目惚れしたことをきっかけに、心が大きく揺れ動く。当初はその感情が恋愛だと気づかず、不調の原因についてメイシ本人に調査を依頼した。やがてメイシからその不調の正体が「恋」であると教えられ、証明のために恋人として付き合うことを承諾する。恋愛に対しても真っ直ぐに向き合うが、不器用なために空回りし、しばしばトラブルを招いている。
書誌情報
一式さんは恋を知りたい。 9巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉
第1巻
(2020-12-25発行、978-4041109328)
第2巻
(2021-06-25発行、978-4041114766)
第3巻
(2022-01-26発行、978-4041121993)
第4巻
(2022-08-26発行、978-4041122006)
第5巻
(2023-04-26発行、978-4041136287)
第6巻
(2023-11-25発行、978-4041143575)
第7巻
(2024-09-25発行、978-4041153901)
第8巻
(2025-04-25発行、978-4041161395)
第9巻
(2025-10-23発行、978-4041166949)








