世界と恋愛を天秤にかけた三角関係
主人公の中川光輝はごくふつうの男子高校生。8年前の交通事故で両親を亡くしてトラウマを抱える、幼なじみの藤咲歩美に告白。すると突然、謎の美少女・神堂ひかりが現れ、自分は光輝の彼女だと横槍を入れてきて、告白は失敗してしまう。そしてその場でひかりは、歩美が特殊な力を持っており、彼女の心の動揺が世界を滅ぼすほどの天変地異を引き起こすと光輝に忠告する。それ以降、ひかりは歩美に世界を滅ぼさせないよう、あの手この手で光輝を誘惑する。
ふつうのヒーローとふつうじゃない二人のヒロイン
本作はヒーローの光輝に対し、ヒロインが複数登場する、いわゆるハーレムものとなっている。光輝が思いを寄せている歩美は、両親を亡くした事故をきっかけに、動揺すると世界を滅ぼしかねないほどの力を発現するようになるが、悲しみだけでなく喜びの感情にもリスクを伴う。一方のひかりは、光輝と歩美の関係や、歩美の過去と謎の力を知っている様子で、過度な露出や過剰なスキンシップで光輝を誘惑するミステリアスな少女。光輝がひかりに色仕掛けでせまられるエロティックな描写や、歩美との恋愛模様の行方が見どころとなっている。
世界を選ぶか、彼女を選ぶかの究極の選択
光輝と歩美の恋の障害は、歩美の謎の力にある。光輝のことが好きだが、事故で一人生き残った自分が幸せになることを許容できない歩美は、光輝から告白を受けると動揺するためにあえて拒絶している。しかし、光輝がひかりと付き合うことも納得できず、二人が親密な関係を匂わせるような行動を目撃する度に、嫉妬や怒りで動揺し、天変地異を引き起こしてしまう。歩美はプラスにもマイナスにも感情を振り切れないことに苦悩し、光輝は彼女がこの力を持った原因やトラウマの根幹を探り出し、恋を成就させるために奔走する。
登場人物・キャラクター
中川 光輝 (なかがわ こうき)
三坂高校に通う2年生の男子。藤咲歩美の幼なじみで、8年前の事故で両親を亡くしたことを知っており、事故後に歩美が心を閉ざしていたことを心配していた。そんな中、長年歩美に片思いしていた光輝は歩美に告白しようとするが、突然神堂ひかりに邪魔され、「歩美をあきらめて私と交際しよう」と告白される。そして、ひかりから歩美が世界を滅ぼす特別な力を持っていることを知らされる。それからは何かとひかりから色仕掛けを受けて心を揺さぶられるが、歩美を一途に思い続けている。学園のマドンナ的存在の歩美と仲がいいことや、校内でひかりとイチャイチャしていることが多いため、校内の男子たちからは強い嫉妬心を向けられている。
神堂 ひかり (じんどう ひかり)
三坂高校に通う2年生の女子。黒髪をボブヘアにしている。スタイル抜群で巨乳の持ち主。藤咲歩美が動揺することで世界を滅ぼす力が発現することを知っているため、中川光輝が歩美に告白すると、彼女の心の動揺によってその力が発現することを光輝に伝えた。光輝が歩美に告白する前は、ぐるぐる眼鏡をかけた存在感の薄い少女を演じていた。これまでどおり、光輝と歩美が幼なじみとして仲よくしていくことが世界にとって一番いい状態だと考えており、二人が付き合わないように彼を色仕掛けで誘惑している。また、同級生のロミオを、光輝と歩美を守るためにボディーガードとして雇っているが、ロミオからは「ひかりは人間ではない」と知られている。光輝と歩美の動向を監視するため、光輝の家の屋根裏を改造して勝手に住みついている。
書誌情報
世界か彼女か選べない 9巻 講談社〈講談社コミックス〉
第1巻
(2017-08-09発行、 978-4065101186)
第2巻
(2018-01-09発行、 978-4065107195)
第3巻
(2018-06-08発行、 978-4065115688)
第4巻
(2018-11-09発行、 978-4065132388)
第5巻
(2019-04-09発行、 978-4065148747)
第6巻
(2019-09-09発行、 978-4065164471)
第7巻
(2020-02-07発行、 978-4065181706)
第8巻
(2020-07-09発行、 978-4065194324)
第9巻
(2020-10-09発行、 978-4065206812)
世界か彼女か選べない 特装版 4巻 講談社〈プレミアムKC〉
第4巻
(2018-11-09発行、 978-4065141854)
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