ほろ苦い三角関係を描いた青春ラブコメディ
本作は、幼なじみの少年少女たちによる「周回遅れの恋」をテーマに、陽花梨の日常と恋愛模様を軸に描かれる青春ラブコメディ。序盤では、陽花梨が幼なじみの夕と距離を縮めていく、甘酸っぱい王道のラブストーリーが展開される。しかし、彼女の親友でありもう一人のヒロイン・絢深の秘密が明らかになることで、物語はシリアスな展開へと移り変わり、夕をめぐる複雑な三角関係へと発展していく。光と闇のように対照的でありながら、夕を好きになってしまった陽花梨と絢深。二人が体験する甘くほろ苦い恋の行方と、彼女たちのあいだに紡がれる友情も大きな見どころとなっている。
幼なじみの恋心とすれ違い
10年来の幼なじみであり、まるで家族のように親しく接してきた陽花梨と夕。高校生になっても、その親密な関係は変わらず続いていた。そんな中、陽花梨は今さらながら夕に対する恋心を自覚する。しかし、もともと距離が近すぎるため、どんなアプローチもなかなか響かず、親友の須藤絢深たちに励まされながらも苦戦を強いられていた。それでも、日常の思いがけない出来事や学校行事を通じて、少しずつ夕との距離を縮めていく。やがて、文化祭の後夜祭にまつわるジンクスを利用し、ついに夕への告白を決意する陽花梨だったが、その直前に絢深と夕がキスをする場面を目撃してしまう。
三人が織りなす友情と恋の物語
陽花梨と夕が距離を縮める約1年半前。夕は陽花梨への恋心に気づき、彼女と同じ高校を志望したものの、入試の結果が思わしくなく落ち込んでいた。うつむいて座り込んでいた夕のとなりには、初めてのパパ活の待ち合わせをする、不登校気味の高校1年生・須藤絢深が座っていた。夕の事情を知った絢深は、パパ活がうまくいかなかった腹いせに彼の純潔を奪おうと企てるが、逆に夕の素直で優しい人柄に絆(ほだ)され、二人は付き合うようになる。しかし、複雑な家庭環境に悩む絢深は、再婚相手に見限られ病んでしまった母親を放っておけず、夕に理由を告げないまま別れてしまう。その後、留年した絢深はやむを得ず高校に復学するが、これからは誰ともかかわらずに過ごすつもりでいた。ところが、人懐っこく明るい年下のクラスメイト、陽花梨と出会ったことで、灰色のまま終わるはずだった絢深の高校生活は大きく変わっていく。
登場人物・キャラクター
白坂 陽花梨 (しらさか ひかり)
とある高校に通う女子。夕のとなりに住む幼なじみ。年齢は16歳。ねずみ色のロングヘアを二つのおさげにしている。幼い頃から10年以上にわたり、家族のように夕と共に育ってきた。自室の窓から夕の部屋が見えるほど家が近く、互いの部屋を気軽に行き来し、物の貸し借りをするほど親しい関係。長いあいだ、異性として意識することはなかったが、高校入学を機に夕への恋心に気づく。それ以来、さまざまなアプローチを試みているものの、もともと距離が近すぎる関係が災いし、空回りしがちである。同じクラスの絢深とは親友だが、彼女が夕の元カノであることは知らなかった。
高村 夕 (たかむら ゆう)
男子高校生。陽花梨のとなりに住む幼なじみで、愛称は「タ~くん」。高校入学前から陽花梨に思いを寄せており、彼女と同じ高校を志望したものの不合格となり、別の高校に通っている。1年半前、入試に失敗して落ち込んでいた際に、当時高校1年生だった絢深と出会う。陽花梨への未練を抱えつつも絢深と交際を始めたが、数か月後、理由もわからないまま絢深と連絡が取れなくなってしまう。それ以来、絢深とは会っていなかったが、陽花梨の通う高校の文化祭に訪れた際、復学した彼女と予期せぬ再会を果たす。
須藤 絢深 (すどう あやみ)
陽花梨と同じ高校に通う女子。年齢は18歳。陽花梨の年上のクラスメイトであり親友。あだ名は「ヤミ」。黒髪のショートヘアで、ミステリアスな雰囲気を漂わせるクールな美少女。不登校だった高校1年生の頃、当時受験生だった夕と出会い、その素直で優しい人柄に惹(ひ)かれて交際を始めた。元グラビアアイドルの母親、芸能事務所社長の父親のもとで育った。父親がガンで亡くなったあと、母親の再婚相手から性的虐待を受けるなど、過酷な家庭環境に置かれていた。やがて母親が再婚相手と離婚し、精神的に不安定になったため、彼女を放っておけず、夕との連絡を一方的に絶って別れてしまう。現在はタワーマンションで一人暮らしをしている。両親の離婚に伴い、姓は松下から須藤に変わった。
クレジット
- 原作
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丸戸 史明
書誌情報
今さらですが、幼なじみを好きになってしまいました 2巻 KADOKAWA〈MFC〉
第1巻
(2025-08-08発行、978-4046850164)
第2巻
(2026-03-10発行、978-4046856951)







