伍と碁

伍と碁

仲里はるなの『BLAST』に次ぐ連載作品で、原作を担当した蓮尾トウトは初連載となる。現代の日本を舞台に、かつて「神童」と呼ばれていたものの、現在は平凡な高校生となった秋山恒星が、過去に自分を挫折させた「五人の天才」たちにリベンジを挑む姿を描いた囲碁漫画。囲碁の監修は、囲碁棋士の井山裕太九段と寺山怜六段(段位はコミックス第1巻刊行当時)が務めている。講談社「週刊ヤングマガジン」2025年9号から連載。

正式名称
伍と碁
ふりがな
ごとご
原作者
蓮尾 トウト
漫画
ジャンル
囲碁
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社)
巻数
既刊5巻
関連商品
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囲碁初心者にも楽しめる王道ストーリー

秋山恒星はかつて、何事もそつなくこなす「神童」と呼ばれていたが、囲碁の世界で「五人の天才」に完膚なきまでに打ちのめされ、現在は平凡な高校生として過ごしている。本作は、そんな彼が失われた輝きを取り戻すため、天才たちとの再戦に挑む姿を描いている。囲碁を題材にしながらも、ライバルとの関係性やリベンジを軸にした、スポーツ漫画のような王道でわかりやすい展開が特徴となっている。そのため、囲碁に詳しくない読者でも作品の世界に入り込め、白熱した対局を楽しむことができる。

囲碁棋士監修によるリアルな対局描写

本作の監修には、囲碁棋士の井山裕太九段と寺山怜六段が携わっており、対局の描写にはプロならではの深い知見が存分に活かされている。また、登場人物や設定の随所には実在の棋士や囲碁界を彷彿とさせるオマージュが散りばめられており、囲碁ファンを大いに楽しませる工夫が施されている。さらに、「日本棋院」をはじめとする複数の囲碁関連団体も作品に協力しており、『「伍と碁」杯ハイスクール囲碁フェスティバル2025』の開催など、囲碁界との強力な連携も実現している。

秋山恒星と五人の天才たち

秋山恒星がかつて挫折を味わった「五人の天才」たちは、それぞれが強烈な個性と独自の背景を持っている。現役の女子高校生にして百万人を超えるフォロワーを誇る囲碁インフルエンサー・市原葉月は、企業の広告塔として活躍する一方で、囲碁の普及に情熱を注ぐ「異常なまでの囲碁愛」の持ち主。彼女との対局や交流が、恒星に囲碁の楽しさを再び取り戻させるきっかけとなった。また、日本有数の企業の御曹司であり、名門私立清光学院の生徒会長を務める桐生光士郎は、高校卒業後に家業を継ぐための勉強に専念することが決まっており、囲碁を辞めざるを得ない立場にある。幼少期から自由のない環境で育った光士郎は、恒星の奔放な囲碁に密かにあこがれを抱き、自分の夢であるプロ棋士の道を勝手に恒星に託し、生活のすべてをサポートしようとするなど、狂気じみた執着を見せる。さらに、プロ棋士として最年少で十段戦に挑む榎本翠をはじめ、恒星の前に立ちはだかるのは個性豊かな面々ばかり。恒星は彼らとの再会や対局を通じて、囲碁と真摯に向き合い、新たな挑戦へと歩みを進めていく。

登場人物・キャラクター

秋山 恒星 (あきやま こうせい))

多泉高校に通う高校1年生の男子。幼い頃からさまざまな分野で優れた才能を発揮し、「神童」と呼ばれていた。幼少期は強い承認欲求を抱き、「囲碁界の藤井聡太になる」と豪語し、小学6年生の時に岡野環の囲碁教室に通い始める。しかし、年下の榎本翠ら「五人の天才」には3か月間一度も勝てず、人生で初めての挫折を味わい、囲碁から距離を置いてしまう。この経験から自信を失い、何者でもない無気力な日々を数年間過ごしていた。ところが高校入学直後、母親の代役として参加した町内会のフェスで、元院生の白山小金と対局し圧倒的な勝利を収めたことで、かつて自分が一度も勝てなかった「五人の天才」がいかに異常な存在であったかを改めて実感する。その事実に強い怒りを覚えた恒星は、彼らに勝ってかつての無敵感を取り戻すため、再び囲碁の道に戻る決意を固める。現在は幼少期の傲慢さは影を潜め、自分の意見を口にすることすらためらうほど控えめな性格になった一方で、一度決めたことは曲げずに貫き通す強い意志と行動力を持ち、要領のよさも相まって周囲から頼られることも少なくない。また、感心したことや他者への尊敬を素直に言葉にできる純粋な一面もあり、「五人の天才」の一人である市原葉月は彼の言葉に感情を揺さぶられている。棋士としては「五人の天才」のような突出した才能は持たないものの、教わったことを素直に吸収し、即座に自分のものにする学習能力に優れている。

市原 葉月 (いちはら はづき)

囲碁インフルエンサーとして絶大な知名度を誇る女子高校生。秋山恒星が幼少期に通っていた囲碁教室に在籍していた「五人の天才」の一人。現在はさまざまな企業の広告塔としても活躍し、彼女にあこがれて囲碁を始める子供たちも少なくない。自他共に認める囲碁好きで、自分が客寄せパンダであることを自覚しつつも、世界中の人々が気軽に囲碁を楽しむ姿を夢見て普及活動に尽力している。本来の口調は辛辣で攻撃的だが、活動時には人当たりのよい話し方を心がけている一方で、秋山恒星に対しては「クソ雑魚」「クソ恒星」といった容赦ない言葉を浴びせている。しかし根は義理堅く、囲碁を愛する相手の頼みには手を差し伸べる優しさも持ち合わせている。実は囲碁教室時代から恒星に強い思いを抱いており、数年前に彼が教室を去った際には取り乱して手がつけられないほどだった。再会後も彼を罵りつつも見捨てることはなく、頼みごとに応じたり悩みの解消を手助けしたりと、何かと気を配っている。また、恒星が寸暇を惜しんで囲碁と向き合っていることを知っており、信頼を寄せている。棋風は、対局の序盤に盤面全体の流れを整える「布石」に優れており、早い段階で自分に有利な展開を作り出すことを得意としている。

クレジット

原作

蓮尾 トウト

監修

井山 裕太 , 寺山 怜

書誌情報

伍と碁 5巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2025-05-07発行、978-4065387290)

第2巻

(2025-07-04発行、978-4065401767)

第3巻

(2025-10-06発行、978-4065411414)

第4巻

(2025-12-05発行、978-4065417645)

第5巻

(2026-03-06発行、978-4065428825)

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