体感予報

売れない漫画家の棚田葉は、イケメン気象予報士として人気上昇中の瀬ヶ崎瑞貴の自宅に居候している。葉は瑞貴から衣食住の面倒を見てもらう代わりに、瑞貴の言うことはなんでも聞くという奴隷のような契約を交わし、家事全般だけでなく性行為の相手も務めている。この契約のもとで同棲生活を送っている二人は、お互いの不器用さですれ違いを繰り返しながらも惹（ひ）かれ合っていく。天気模様と共に映し出される二人の日常が、心理描写や繊細なラブシーンを交えながら展開される。

イケメン気象予報士の瀬ヶ崎瑞貴は、仕事中は爽やかなキャラクターを演じているが、棚田葉の前では暴君と化し、絶対服従をせまる超ドSの俺様系男子。だが瑞貴は暴君として振る舞いつつも、口下手でツンデレな一面を見せる。一方の葉はノーマルな性嗜好の持ち主で、瑞貴とは異なり収入も少なく漫画を描くこと以外の特技があるわけでもない。そんな葉の前でのみ瑞貴が素の自分を曝（さら）け出している理由が、二人の大学生時代の過去と共に明かされる。

瀬ヶ崎瑞貴はテレビでの知的な話し方と物腰の柔らかさで、爽やかなイメージを持たれているが、棚田葉は強引な瑞貴に毎日振り回されていた。また、明日が晴れの日には性行為の相手を務めるよう言い付けられている葉は、天気予報のたびに複雑な心境に陥る。そんな中、葉は漫画の仕事がまったくなくなり、女友達のもとでアシスタントを務めることになる。それを知った瑞貴は激しく嫉妬し、葉への独占欲を募らせていく。これを機にすれ違いを繰り返していた二人の関係にも、さまざまな変化が訪れる。