卵と鶏

卵と鶏

辻やもりの代表作の一つ。令和時代の日本を舞台に、複雑な家庭環境の中で孤独に育った鈴原鳴海と、彼女の未来の息子と名乗る鈴原慶の数奇な運命、そして生い立ちにまつわる謎を描いたサスペンス・ヒューマンドラマ。芳文社「週刊漫画TIMES」2023年11月17日号から2025年9月5日号にかけて連載の作品。

正式名称
卵と鶏
ふりがな
たまごとにわとり
作者
ジャンル
家族
 
親子
レーベル
芳文社コミックス(芳文社)
巻数
全5巻完結
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時を超えたヒューマンドラマ

本作は、家族や親子の絆をテーマとした物語で、独身女性の鳴海と、数十年後の未来から来たと名乗る彼女の息子、慶との不思議な関係を軸に、慶の誕生の経緯や生い立ちにまつわる謎が明らかになっていく。タイムスリップというSF要素を交えつつ、複雑な家庭環境で育った鳴海が慶との出会いをきっかけに自分自身の人生を見つめ直し、彼女のルーツや慶にかかわる謎を探求する姿がミステリータッチで描かれる。また、共に行動する中で二人のあいだに育まれる、時を超えた絆も本作の大きな魅力となっている。

未来からの息子が令和5年の日本に現れる

貧しい家庭で育った鳴海は、裕福ながら暴力を振るう恋人の加賀拓郎と結婚を前提に同棲していた。ある日、鳴海の前に自分の息子だと名乗る謎の男性、慶が現れ、「母さんは今、幸せですか」と問いかける。しかし、妊娠や出産の経験がない鳴海にとって、自分より年上の慶が息子だという話は到底信じられなかった。その出来事をきっかけに、拓郎との将来に疑問を抱き始めた鳴海は、再び暴力を振るわれたことでついに別れを決意し、慶と共に逃げ出す。記憶は曖昧ながらも、鳴海を救うために未来から来たと語る慶が本当に息子なのか確信が持てないまま、鳴海は疎遠だった異母妹の詩帆の家にしばらく身を寄せることになる。

鳴海の出生の秘密

異母妹の詩帆を訪ねた鳴海は、久しぶりに再会した父親から「本当の娘ではない」という衝撃的な事実を告げられる。実は、鳴海は実母である響子が不倫相手とのあいだに産んだ子供だったのだ。突然明かされた生い立ちの真実に戸惑いながらも、これまで自分を冷遇してきた人々が血のつながらない他人であったことに安堵し、幼い自分を残して家を出た実母の響子を探す決意を固める。一方、詩帆の家をあとにした慶は、鳴海に協力し共に行動していたが、以前フラッシュバックした記憶の中で「父親だと思っていた男」が実は自分自身であったことに気づき、混乱していた。

登場人物・キャラクター

鈴原 鳴海 (すずはら なるみ)

令和5年現在、26歳の独身会社員の女性。幼少期は複雑な貧困家庭で育ち、再婚した父親の連れ子として家庭内で冷遇されてきた。いつか両親を見返すため、裕福な男性と結婚して幸せをつかむことを夢見て、早くに上京した。現在は恋人の拓郎と同棲しているが、日常的にDVに悩まされている。体の弱い異母妹の詩帆がいるが、現在は疎遠になっている。ある日、自分の「息子」を名乗る謎の青年、慶と出会い、運命が大きく動き出す。拓郎との決別を選んだ鳴海は、慶に警戒心を抱きながらも、彼の正体や自身の生い立ちの真実を探るため、共に行動することになる。

鈴原 慶 (すずはら けい)

鳴海の前に突然現れた謎の青年。彼女の「息子」を名乗っている。鳴海より年上の29歳で、令和5年の東京に姿を現した。未来から来た証拠として令和37年発行の運転免許証を所持している。しかし、鳴海の息子である以外の記憶はほとんどなく、気がつくと森の中で倒れており、鳴海を探してさまよっていた。鳴海からはなかなか信頼されていないものの、彼女の実母探しを手伝いながら共に行動するようになる。慶の目的は、自分が未来からやって来た経緯を突き止めることと、鳴海の将来を幸せに導くために、自分自身の誕生という障害を阻止することにある。誕生日は令和6年3月20日。

書誌情報

卵と鶏 全5巻 芳文社〈芳文社コミックス〉

第1巻

(2024-03-14発行、978-4832203822)

第2巻

(2024-08-16発行、978-4832204270)

第3巻

(2025-01-16発行、978-4832204720)

第4巻

(2025-06-13発行、978-4832205185)

第5巻

(2025-10-14発行、978-4832205482)

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