現代に転生した桃太郎
江戸時代享保年間から物語は始まる。神に遣わされた桃太郎は、猿彦、遊雉郎(ゆきじろう)、犬助(けんすけ)という三人の臣下とともに、「蟲(むし)」を操り人間の生命力を奪う鬼を退治していた。そんなある日、強大な力を持つ鬼、九重主(ここのえのあるじ)と遭遇した一行は、全滅の憂き目に遭う。死の間際、桃太郎が神に告げられたのは、桃の中で力を蓄え再び産まれ直して鬼を討てという命令だった。また桃を守るために臣下二人の命を使い一人を不死の体にするという。断腸の思いで猿彦を選んだ桃太郎はそのまま長い眠りにつく。それから300年後、桃から生まれ直した桃太郎は、なぜか手のひらサイズのひよこになっていた。神によれば鬼を倒して「蟲」を404匹食べることで本来の姿に戻れるという。こうして現代に転生したひよこ姿の桃太郎は、猿彦や鬼退治専門の忍者組織「TAO」とともに、再び鬼退治に励むことになる。
鬼の存在と忍者組織TAO
「病気」はかつて「病鬼」と記され、その原因は「鬼」にあった。鬼は普通の人には見えない「蟲」を使い、人間の体内に侵入する。人間の生命力である「真気(しんき)」を吸うほど鬼は強くなり、吸われた人間は病気になってしまう。そんな鬼を駆除していたのが忍者たちである。忍者たちは江戸幕府から明治政府に受け継がれ、青猿・赤犬・黄鳥の3部隊からなるTAOという忍者組織として令和の時代にも続いている。鬼に対抗する手段として忍者が使用するのが気術である。気術には「蟲を駆除する」「真気を分け与えて回復させる」「結界を張る」といった様々な種類がある。他にも「鬼喰」という、鬼の分身である蟲を吸収し鬼の力を得た人間も存在する。TAOに所属する鬼喰の伏見海斗は、気術は使えないが気功により凄(すさ)じい攻撃力を誇っている。
桃太郎の宿敵
桃太郎や猿彦の宿敵といえる存在が、江戸時代に桃太郎一行と戦った強大な鬼、九重主である。首を斬られながらも桃太郎たちを全滅させた九重主は、令和の時代にも生き続けている。神使である桃太郎に斬られた首は、人間を食べても治らなかった。しかし、気術使いを食べることで傷が癒えることを発見した九重主は、鬼に寄生する新しい蟲を創り出す。それは、鬼が気術を受けると自動的に宿主を換えて気術使いに寄生する蟲だった。蟲を通して鬼に力を与えて支配する九重主は、大勢の鬼を従え、桃太郎や猿彦の前にたびたび立ちはだかる。
登場人物・キャラクター
桃太郎 (ももたろう)
大神実命(おおかむづみのみこと)によって人の世に遣わされた神使の男性。猿彦、遊雉郎、犬助という三人の臣下を従え鬼退治を行っていたが、強大な鬼によって瀕死(ひんし)となり、力を蓄えるために桃の中で300年という長い時を過ごす。桃が割れ、令和の時代に転生したときは、なぜか手のひらサイズのひよこになっていた。大神実命によれば、蟲を404匹喰(く)らい、鬼の力を吸収することで人間の姿を取り戻すという。TAOに所属する鬼喰の海斗には軽んじられており「ひよ太郎」と呼ばれている。
猿彦 (さるひこ)
桃太郎の臣下である忍者。江戸時代、強大な鬼によって全滅させられた際、桃の中で転生準備をする桃太郎を守護するため、不老不死の体になり生き続けている。苗字が義務化された後は「比良坂猿彦」を名乗っている。一度結婚しているが、妻はすでに亡くなっており、甥が経営する「比良坂鍼灸院」で鍼灸師として働いている。優れた気術使いで、刀印で九字を切り、様々な気術を発する。
書誌情報
四百四鬼 11巻 スクウェア・エニックス〈Gファンタジーコミックス〉
第1巻
(2023-02-27発行、978-4757584235)
第2巻
(2023-06-27発行、978-4757586307)
第3巻
(2023-10-27発行、978-4757588738)
第4巻
(2024-02-27発行、978-4757590687)
第5巻
(2024-07-26発行、978-4757593176)
第6巻
(2024-12-27発行、978-4757595910)
第7巻
(2025-04-25発行、978-4757598263)
第8巻
(2025-08-27発行、978-4301000266)
第9巻
(2025-12-26発行、978-4301002475)
第10巻
(2026-04-27発行、978-4301004837)
第11巻
(2026-08-27発行、978-4301007241)








