大人気となった原作小説
本作の原作は、アイドルグループ「Kis-My-Ft2」のメンバー、宮田俊哉の作家デビュー作となった同名ライトノベルである。「アニメを作りたい」という夢を持ち続け、アニメを作る方法を探っていた宮田は、「原作本を書いてみたら?」というある人の言葉に背中を押されたという。その後、事務所に持っていった五つのプロットの中で、評判の良かった『境界のメロディ』を、アイドル活動をしながら3年かけて書き上げた。こうして2024年5月24日に発売された小説版は、「次にくるライトノベル大賞2024」文庫部門、10代読者投票、50代以上読者投票、女性読者投票の4部門で第1位に選出され続編も決定。さらに、2025年11月13日にはテレビアニメ化が発表された。
亡くなったはずのカイの出現
フリーターのキョウスケは、高校3年生の時、音楽室でカイと出会った。高校1年生のくせに「あんたピアノ上手いね」とタメ口で話しかけるカイはギタリストであり、二人はセッションを通じて意気投合した。その後、音楽デュオを組んだ二人は、メジャーデビュー目前にまで成長するが、カイが交通事故で亡くなってしまう。それ以来キョウスケは音楽をやめてしまい、3年が経った現在、無気力な日々を過ごしていた。しかし、カイの三周忌の法要の帰り、部屋に帰ったキョウスケを出迎えたのは、死んだはずのカイだった。昔とまったく変わらず、生きているようにしか見えなかったが、カイはキョウスケ以外の人間には見ることも触れることもできない。カイは「忘れ物」を取りに来たが、それがなにか思い出せないという。本作は、カイの出現で止まっていた時間が動き出し、想い出を大切にしながらも前に進みはじめるキョウスケを軸にした、青春音楽ヒューマンドラマである。
カイがこの世に戻った理由
キョウスケとカイの路上デビューの日、初めての観客となったのが、同じ高校の少女、ユイだった。ライブを終え、打ち上げで入った中華料理屋でキョウスケたちはユイと再会する。彼女はその店の看板娘だったのだ。店のサービスで出てきた「具なしのかに玉」をすっかり気に入ったキョウスケたちは、バンド名を「かにたま」と命名。ユイも彼らの音楽活動を手伝う特別な存在となった。それから2年後、メジャーデビュー目前の「かにたま」は、デビュー曲を一番最初にユイに聴いてもらうため、ライブを開催することにする。そしてライブ当日、キョウスケが家に置き忘れたユイへのプレゼントを取りに戻ったカイは、交通事故に遭って命を落とした。キョウスケは忘れ物をしたことを悔やみ、ユイは自分のためのライブがなかったらと後悔し、それぞれ3年前から前に進むことができていなかった。キョウスケの部屋で、あの日ユイに渡すはずだったプレゼントを見つけたカイは、あの時のライブきちんとやり遂げることを提案する。それこそが自分が取りに戻った「忘れ物」だという。こうしてキョウスケとカイは、3年前に行うはずだったライブを行うことになった。
登場人物・キャラクター
弦巻 キョウスケ (つるまき きょうすけ)
22歳のフリーターの男性。母がピアノ教室を開いており、その影響で物心がついた頃からピアノ演奏をしていた。高校3年生の時、音楽室でピアノを弾いていた際、カイと出会い、音楽デュオ「かにたま」を結成。ピアノと作曲を担当する。メジャーデビューを控えていたが、カイが交通事故で亡くなったために音楽をやめ、無気力な日々を送っていた。カイの三周忌の法要の日、突然18歳の姿のまま現れたカイに翻弄される。カイには「キョウちゃん」と呼ばれている。
天野 カイ (あまの かい)
18歳の夏に交通事故で亡くなった金髪の少年。ロック界の神様と呼ばれるジンを父に持つ。高校1年生の時、音楽室から聞こえるピアノの音に魅せられ、キョウスケと出会い意気投合する。音楽デュオ「かにたま」を結成し、ギターと作詞を担当する。メジャーデビューを控えていたが、交通事故で死亡する。なにか忘れ物がある気がして、3年後にキョウスケの前に再び姿を見せる。
クレジット
- 原作
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宮田 俊哉
- キャラクター原案
-
LAM







