四角関係を描いた青春恋愛物語
本作は、小柄な中学3年生のちなみを中心に、少年少女四人の成長と恋愛を軸とした青春ストーリーが展開される。思春期の男女が抱える繊細な感情の機微を丁寧に掘り下げ、切なくも温かみのある恋模様が特徴となっている。ちなみは、義理の姉妹である和音を通じて、同じマンションに住む相馬兄弟の雄大と奏多と出会う。当初は雄大に対して悪い印象を持っていたちなみだが、学校での出来事や夏休みの旅行をきっかけに次第に距離を縮めていく。やがて四人は複雑な四角関係へと発展し、日常の中で変化していく不器用な恋愛模様の行方が見どころとなっている。
新しい家族と友情を築く
はっきり物を言う性格が災いし、学校で孤立しがちなちなみは、父親の陽司が再婚を考えている女性、桜井恵子の住むマンションへ引っ越すことになる。そこで恵子の娘の和音と出会ったちなみは、彼女たちが自分の新しい家族になれるかどうかを見極めようとする中で、となりに住む雄大と奏多とも知り合う。ちなみは、学校で和音が周囲の女子から嫉妬されていることを知り、女子たちの理不尽な態度に反発し和音を庇(かば)う。この出来事をきっかけに、和音との絆を深めていく。一方、和音を助けたちなみの姿を見た雄大と奏多も彼女を認め、同じマンションに住む四人は、新しい日常を通じて親しくなっていく。
複雑な思いが交錯する四人の不思議な関係
新生活に少しずつ慣れてきたちなみは、当初は嫌な印象ばかり抱いていた雄大の強さや優しさに触れるうちに、次第に彼を意識し始める。同時に、雄大と長年の付き合いがある幼なじみの和音に対しても、羨望の念を抱くことが増えていく。そんなある日、ちなみは偶然、和音の母親である恵子から、奏多が恵子に片思いしていることを知らされる。思いがけず口止めされ、初めは敵意をむき出しにするちなみだったが、奏多の切ない思いを知るうちに、共感や同情の気持ちが芽生え始める。やがて、陽司と恵子が婚姻届を提出することを知ったちなみは、陽司の幸せのために奏多にはあきらめてもらおうと決意する。しかしその矢先、街中で奏多が見知らぬ女子と歩いているのを目撃してしまう。
登場人物・キャラクター
安藤 ちなみ (あんどう ちなみ)
中学3年生の女子。小柄で幼い容姿だが、物事をはっきりと言う強気な性格で負けず嫌い。両親の離婚後は、美容師の父親、陽司と二人暮らしをしていたが、父親の再婚が決まり、再婚相手の恵子が住むマンションへ引っ越すことになる。そこで恵子の娘である和音と出会い、同い年ながら義理の姉妹となる。さらに和音を通じてとなりに住む雄大や奏多とも知り合い、当初は反発していた雄大の優しさに触れるうちに次第に惹(ひ)かれていく。
相馬 雄大 (そうま ゆうだい)
中学3年生の男子。ちなみが引っ越してきたマンションに住む奏多の弟。幼なじみの和音のとなりに住んでおり、ちなみとは同じクラスになる。口が悪く不愛想ながら、優しい一面も持つ。学校では兄の奏多と共に、気弱な和音を守ってきたが、彼女をいじめる女子たちに啖呵(たんか)を切ったちなみの姿を見て、彼女を認めるようになる。
相馬 奏多 (そうま かなた)
高校1年生の男子。雄大の兄で、幼なじみの和音のとなりに住んでおり、中学生の頃は雄大と共に和音を守っていた。穏やかな性格で、愛想がよく面倒見も良いが、少し計算高い一面もある。実は、和音の母親である恵子に密かに片思いしている。
桜井 和音 (さくらい かずね)
中学3年生の女子。ちなみの父親、陽司の再婚相手である恵子の娘。雄大と奏多とはとなりの部屋に住む幼なじみ。黒いロングヘアを二つのおさげにまとめ、眼鏡をかけている。控えめで内気な性格のため、周囲から面倒事を押し付けられることもある。また、女子に人気のある雄大や奏多と親しいことから、周囲の嫉妬を買っている。








