三人の出会いと別れ
入学早々遅刻しそうになり、桜並木をダッシュしていた千穂は、イケメンの和哉とぶつかってしまう。青春を謳歌(おうか)したいと思っていた千穂は、「まるで少女マンガのワンシーン」と顔を赤らめる。さらに、和哉と一緒にいた幼馴染の遥を「少女マンガのヒロインのようだ」と感動するが、和哉に「前見て走れブス」と罵られて口げんかになった。こうして出会った三人は、後にクラスメートであることが判明する。やがて、あることをきっかけに仲直りした千穂と遥は、和哉を加えた三人で放課後を一緒に過ごすようになる。しかし、7月の最初の日曜日、三人で海に行き花火をした日が、千穂が遥と会った最後の日となってしまう。翌日、遥は入院し2学期開始時には学校を退学。さらにその1か月後には病院で亡くなったことが告げられた。
残された者たちの物語
本作は、病院の診察室で遥が余命宣告を受けるシーンから始まる。自分の余命を知った遥は「きれいに死のう」と決意し、5年後、10年後に遥のことを思い出した時、それがきれいな思い出になるようにと願う。そして、髪が抜け痩せこけた姿を見せないために、余命のことを隠して気丈に振る舞い、ある日千穂と和哉の前から突然姿を消してしまう。遥の死後、病気について何も知らされていなかった千穂は悲しみに暮れる。和哉も同様ではあったが、じつは遥が退学した2学期開始時に、無理やり病院に押しかけ遥と会っていた。本作は、15歳で亡くなった少女の話であると同時に、残された者たちの物語でもある。
登場人物・キャラクター
望月 千穂 (もちづき しほ)
高校1年生の女子。日焼けした肌と長身が特徴。中学では陸上部に所属していたが、高校ではスポーツとは別の青春を送ろうとする。少女マンガのヒロインのようなクラスメートの遥に憧れ、友達になる。また、同じくクラスメートの和哉には恋心を抱く。
瀬戸 遥 (せと はるか)
高校1年生の女子。真っ白な髪の毛と大きな目が特徴の、少女マンガのヒロインのような少女。不治の病に冒されており、高校入学前に余命宣告を受ける。幼馴染でクラスメートの和哉以外に友達がいなかったが、千穂と出会い親友になる。子供の頃に読んだ『星の王子さま』が好きで、作中に出てくるフェネックのぬいぐるみを大事にしている。
水橋 和哉 (みずはし かずや)
高校1年生の男子。長身のイケメンで成績も優秀。遥、千穂のクラスメートで、遥とは小学校、中学校が同じの幼馴染である。小さい頃から遥に告白し続けているが、いつも断られている。遥が病気を抱えていることは知っているが、病名や病状については何も知らない。







