概要・あらすじ
昭和18年。安藤昇は血の気が多く、問題を起こしては転校を繰り返し、ついに多摩少年院に収監される。第二次世界大戦の敗戦が色濃くなる中、彼は予科練習生に合格し、出所して特攻隊員となった。しかしついに出撃しないまま終戦を迎える。廃墟と化した東京・新宿に出た安藤昇は法政大学予科に入学。
仲間達と共に愚連隊を作り、喧嘩に明け暮れていた。狼の匂いに近付きつつある彼に、運命を左右する事件が起きる。
登場人物・キャラクター
安藤 昇 (あんどう のぼる)
実在の元ヤクザで俳優の安藤昇がモデル。幼い頃から血の気が多く、問題を起こしては転校を繰り返し、多摩少年院に収監される。第二次世界大戦の敗戦が色濃くなる中、予科練習生に合格し、出所して特攻隊員となった。しかし出撃しないまま終戦を迎え、廃墟と化した東京・新宿に出て、法政大学予科に入学。 仲間達と共に愚連隊を作り、喧嘩に明け暮れた。渋谷区の宇田川町に東興業(通称安藤組)を構え、社長となる。幹部達と共に抗争を繰り返しながら一大勢力にのし上がっていく。
黒木 (くろき)
実在のヤクザ黒木健児がモデル。法政大学の学生。空手部に所属し、応援団の団長もつとめている武闘派。安藤昇が組織した愚連隊の仲間。野田とともに三田組の襲撃を受け重傷を負う。後に安藤昇が設立した東興業(通称安藤組)の幹部となる。
野田 (のだ)
実在のヤクザ野田克己がモデル。第二次世界大戦終戦前からの安藤昇の仲間。戦後、焼け跡となった新宿で安藤昇と偶然再会し、愚連隊を結成する。三田組との抗争では黒木と共に瀕死の重傷を負った。後に安藤昇が設立した東興業(通称安藤組)の幹部となる。 三田組との抗争で受けた傷の痛みに耐え切れず、密かにモルヒネに手を出すが、そのことが三崎清次を通じて安藤昇にばれてしまう。
花形 敬 (はながた けい)
実在のヤクザ花形敬がモデル。明治大学のラグビー部に所属していたが、安藤昇の評判を聞いて佐藤昭二と共に彼の舎弟となる。
三崎 清次 (みさき せいじ)
バイ人(不正に配給を受けた外食券を売る商売人)だったが、ヤクザに絡まれていたところを安藤昇に助けられ、彼の用心棒となる。後に安藤昇が設立した東興業(通称安藤組)の大幹部となる。
志賀 日出也 (しが ひでや)
実在のヤクザ志賀日出也がモデル。安藤昇が設立した東興業(通称安藤組)の幹部。安藤昇と共に南洋商船社長・中井秀麿襲撃事件に関与する。
千葉 一弘 (ちば かずひろ)
実在の元ヤクザ千葉一弘がモデル。安藤昇が設立した東興業(通称安藤組)の幹部。安藤昇の指示で、南洋商船社長の中井秀麿を狙撃する。
中井 秀麿 (なかい ひでまろ)
実在の経営者、横井英樹がモデル。南洋商船社長。一介の復員兵から身を起こし、手段を選ばない稼ぎ方で富を築く。安藤昇は彼の汚い手口と態度に激昂し、命を狙う。
西原 健吾 (にしはら けんご)
実在の元ヤクザ西原健吾がモデル。國學院大學の学生。卒業前に東興業(通称安藤組)の組員にケンカを売り、安藤昇に面会。東興業(通称安藤組)に就職する。空手経験者の武闘派。人を見抜く目があり、安藤昇、志賀日出也の危機を救った。
スタンレー有本 (すたんれーありもと)
ハワイ出身の日系人男性。GIとして日本に来たが、安藤昇の仲間となる。武器調達に力を発揮する。
力道山 (りきどうざん)
実在のプロレスラー力道山がモデル。圧倒的な人気を誇るプロレスラー。東興業(通称安藤組)の縄張りのキャバレーで酔って暴力を働き、また別の店で幹部の花形敬と揉めるなど問題を起こす。さらに面会を拒否したことで、安藤昇らに狙われるようになる。
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