彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる

ゆるふわ系女子の兎田彩香は、同じ職場の先輩・鹿納弘子のことが大好き。弘子に恋をして以来、露出度の高いファッションと情熱的な態度でアピールを続けているが、まったく相手にされない日々を送っていた。実は弘子が彩香になびく様子がないのは、過去のトラウマからレズビアンであることを隠しているためだった。そのため、彩香と弘子は互いに相手を異性愛者、いわゆるノンケだと思い込んでおり、彩香の弘子へのアピールも「ノンケの無自覚な行動」としか受け止められておらず、二人のあいだにすれちがいが生じた原因になっている。

現在はかわいらしい雰囲気のゆるふわ系女子のイメージが強い彩香だが、入社当初はめったに感情を表さない、鉄仮面と呼ばれるほどの厳格で堅物な女性だった。しかし彩香の性格は、同性の先輩である弘子に恋をしたことで大きく変わった。そんな彩香があこがれを抱く弘子は、バリキャリ系女子で上司や後輩からも慕われている営業部のエースだが、実はレズビアンという秘密を抱えている。しかし、過去のトラウマからレズビアンであることを隠し、身を潜めて生きていこうと決めていることから、彩香の思いにはまったく気づいていない。

本音では、今すぐにでも彩香と付き合いたいと思っている弘子だが、彩香を「無邪気なノンケ」だと思い込んでいるため、熱烈なアピールにいつもドキドキしながらも素直に受け入れることはできないでいた。そんな中、社内でもプライベートでも二人の関係にすれちがいが生じ、同僚や友人を巻き込んでますますややこしくなっていく。本当は両思いなはずの二人のカンちがいが、さらなるカンちがいを呼び、彩香と弘子の不器用でもどかしい恋の行方から目が離せない。また、彩香の魅力に悶えながらも耐え続ける弘子の複雑な心理描写も見どころになっている。