どこか危険な幼なじみ男子との歪(ゆが)んだ同居生活
羊と春馬は、かつてとなり同士に住んでいた幼なじみ。しかし、羊には当時の記憶がまったくなく、周囲からは「となりの家の住人は一家心中で亡くなった」と聞かされていた。羊は春馬との同居を受け入れつつも、当初は春馬が幼なじみを名乗る不審者ではないかと疑いを抱くが、次第に彼の潔白を信じるようになる。だが、春馬は羊に対して異常なほどの執着を抱いており、彼女の目の届かないところで恋人や友人を排除しようと暗躍を続けていく。
春馬と羊の謎めいた幼なじみ関係
春馬が羊の幼なじみであることは、羊の母親の証言からも間違いない。しかし、春馬は明らかに羊に何かを隠しており、幼なじみとしてなかよくしていた頃の話を不自然に避けていた。羊の母親も春馬の危険性を承知のうえで再会を許したようだが、羊が春馬との記憶を失った理由や、春馬がなぜそこまで羊に執着するのかという疑問が、物語全体の大きな謎となっている。
羊の記憶回復を巡る葛藤
羊の記憶が完全に戻ることは、春馬も羊の母親も望んでいない。しかし、羊自身は春馬と対等な関係を築き、愛し合うために、すべての記憶を取り戻そうと葛藤しており、やがて真相を求めて、シアトルにいる母親の勤務先まで直接赴く決断を下す。記憶を取り戻すことで精神的に不安定になり、希死念慮に襲われるのではないかと懸念される羊が、実際に真実を知った時、果たしてどうなってしまうのか。そして、春馬との歪みながらも強い信頼関係や恋愛の結末がどのように描かれるのかが、物語のクライマックスにおける最大の見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
八木沢 羊 (やぎさわ よう)
とある大学に通う1年生の女子。春馬の幼なじみで、年齢は18歳。金髪をロングヘアにしている。6歳の時に両親が離婚し、母親が起業してアメリカのシアトルで働くようになってからは、約3年間一人暮らしをしていた。母親がシアトルで春馬と再会したことをきっかけに、彼が交換留学生として日本に滞在する期間、同居生活を送ることになった。物事をはっきりと口にし、やられたらやり返す強い意志を持つ一方で、母親に負担をかけまいと気を遣いすぎる繊細な一面もある。春馬のことはあまり覚えておらず、思い出そうとすると首つり用の縄など不穏なイメージがフラッシュバックし、精神的な負荷から集中力が途切れてしまう。
広瀬 春馬 (ひろせ はるま)
羊と同じ大学に通う3年生の男子。羊の幼なじみで、高校時代に2年飛び級したため、年齢は羊と同じ18歳。長めの前髪が特徴的な黒髪で、整った容姿から多くの女性を魅了している。幼少期は羊の実家のとなりに住んでいたが、母親による無理心中未遂事件をきっかけに、シアトルに住む親戚に引き取られた。のちに羊の母親とシアトルで再会し、日本への交換留学のあいだ、羊のマンションで同居生活を送ることになった。ふだんは羊に対して非常に優しく甘やかす一方で、彼女に恋愛感情を抱く男性を遠回しに排除し、危害を加えようとする者には容赦なく社会的制裁を加えることもある。








