純粋な編集者とミステリー作家の遅咲きの恋
鹿子は小説への深い愛情ゆえに、青春や恋愛をほとんど経験せずに大人になったため、恋愛に対しては年齢にそぐわないほど純粋な一面を持ち、編集者としても未熟な部分が多い。一方、朔は容姿端麗で女癖の悪さで知られるミステリー作家で、女性経験は豊富だが、過去のトラウマから本気の恋を避けている。しかし、噂や外見に惑わされることなく、作品そのものを純粋に評価し、ひたむきに仕事に取り組んでいる鹿子の真っ直ぐな姿勢に、朔は新鮮な魅力を感じ、次第に惹(ひ)かれていく。そんな二人の遅咲きの恋が、本作の重要なテーマとなっている。
純粋な恋愛初心者、鹿子の葛藤と成長
鹿子はまだ人生経験が浅いため、自分の恋愛感情に対して十分に自覚できていない。これは恋愛なのか、思いを伝えてもよいのか、さらにはどうすれば相手の心をときめかせられるのかと、年下の女子高校生作家に相談してしまうほど素直な一面を持っている。彼女の純粋で一生懸命な姿は、周囲のキャラクターや読者に「放っておけない」と感じさせ、物語の大きな推進力となっている。
朔の過去と因縁に揺れるシリアス恋愛ドラマ
朔は、作家としての成功に強い執着を抱くあまり、かつての婚約者である天村千夜香を自殺に追い込んでしまうという暗い過去を持っている。それ以来、朔は千夜香以上に愛する女性を作らないと心に誓い、その場限りの軽薄な恋愛に身を任せてきた。しかし、鹿子に対して本気の恋心を抱き始めたことで、これまでの穏やかな日常は一変する。日本文学界の重鎮である朔の父親、鶴賀昴との出会いや、両親の過去にまつわる因縁が明らかになる中、鹿子は精神的に不安定になった朔との関係に苦悩しながらも、二人で乗り越えようと奮闘する。二人の思いが通じ合ってから始まる怒濤(どとう)のシリアスな展開が、本作の大きな見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
月白 鹿子 (つきしろ かのこ)
出版社「緑線社」で編集者を務める女性。年齢は26歳で、身長は157センチ、血液型はA型。ピンク色のショートボブヘアにしている。中学生の頃に父親を事故で亡くし、看護師の母親に育てられた。小説を愛するあまり、青春や恋愛の経験は乏しく、リアルな恋愛感情には非常に疎い。これまでヒット作を担当したことはなかったが、人気作家の朔の担当編集者になってからは、意欲的に仕事に取り組んでいる。しかし、朔の思わせぶりな態度や冗談に振り回されることが多い。酒に弱く、酔うと誰に対しても遠慮のない物言いをする一面があり、その点も含めて朔には面白がられている。朔と真摯に向き合ううちに、やがて彼に対して恋愛感情を抱くようになる。
加賀屋 朔 (かがや さく)
売れっ子ミステリー作家の男性。年齢は39歳で、身長は186センチ、血液型はAB型。左目の下にほくろがある。日本文学界の重鎮・鶴賀昴を父に持つが、母親は彼の愛人であったため、母子家庭で育った。17歳の時に母親も病死し、複雑な生い立ちを抱えている。作中の生々しいラブシーンが人気で、読者からは恋愛をメインにした作品を望まれているが、朔自身は「自分には恋愛小説を書く資格がない」と考えている。新作を執筆するたびに相手を変え、交際した女性をキャラクターのモデルにしていると噂されるほど女癖が悪い。かつて自殺した婚約者の千夜香のトラウマに囚われており、本命の女性を作らないと心に決めていたが、次第に鹿子を愛するようになる。しかし、過去の呪縛から精神が不安定になっていく。
書誌情報
文学処女 全11巻 LINE Digital Frontier〈LINEコミックス〉
第1巻
(2018-09-01発行、978-4909767066)
第11巻
(2021-10-15発行、978-4866972244)








