最後の不良

最後の不良

『サムライソルジャー』、『元ヤン』などアウトロー作品を多数手がける山本隆一郎の作品。令和9年の渋谷を舞台に、小笠原で暮らしていた桐ヶ谷完が、不良だった父親の真意を探るため渋谷の裏社会へ身を投じていく姿を描いたヤンキーアクション。作中には『サムライソルジャー』のコミックスが登場するなど、過去作へのオマージュが随所に散りばめられている。集英社「ヤンジャン!」で2021年12月7日から連載。

正式名称
最後の不良
ふりがな
さいごのふりょう
作者
ジャンル
不良・ヤンキー
 
アクション
レーベル
ヤングジャンプコミックス(集英社)
巻数
既刊10巻
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渋谷の裏社会と「不良」の真実を追う男の物語

本作の舞台である渋谷では、政府の繁華街浄化政策によって不良やヤクザ、半グレといった裏社会勢力への取り締まりが一層強化されている。そのため、表向きは治安が改善されたように見えるが、水面下では犯罪が絶えず、実態は臭い物に蓋をしたに過ぎなかった。渋谷の実情を何も知らずに上京した主人公の完は、平和な渋谷の様子に愕然(がくぜん)とする。しかし、望月タカシが所属するグループと接触したことで、不良が完全に消えたわけではないことを知る。伝聞でしか知らなかった「不良」の本質を確かめるため、完は渋谷のアンダーグラウンドで繰り広げられる抗争に身を投じていく。

父親の足跡を追う完の旅立ち

中学3年生の完は、父親の七朗が不良として蔑まれていた影響で、島では祖父と共に村八分のような扱いを受けていた。そのため、自分の存在意義を見いだせず、心配してくれる担任教師にも冷たい態度を取っていた。そんなある日、浜辺で倒れていた秀政を救助するが、直後に祖父が脳梗塞で倒れ、完は再び絶望に突き落とされる。しかし、回復した秀政から「不良とはただの無軌道な乱暴者ではなく、自分の人生を自分で切り開く存在だ」と教えられ、完は生きる指針を見つける。その後、クマに襲われた同級生の翔太郎を命がけで救ったことで、周囲からの偏見を自らの力で払拭する。それから1年、最愛の祖父を見送った完は、不良へのあこがれを胸に、父親の七朗の足跡を辿(たど)るため渋谷へと旅立つ。

地下に潜む不良たちの抗争

渋谷の不良たちは、繁華街浄化政策の影響で表立った活動が制限されていた。しかし、警察や行政の目が届かない地下のエリアでは、一部の有力な不良たちが活動を続けており、その地域はやがて「渋谷アンダーグラウンド」と呼ばれるようになった。渋谷アンダーグラウンドへの入口は、ホテルの地下通路や渋谷川の暗渠(あんきょ)など複数存在するが、それを知るのは一部のヤクザや不良に限られている。渋谷にたどり着いた完は、意気投合したタカシと共に秘密裏に渋谷アンダーグラウンドへ足を踏み入れ、そこで巨大な勢力を誇る不良集団と激しくしのぎを削る。一方、タカシの上司である柴崎ヨーヘイはかつて渋谷アンダーグラウンドで活動していたが、現在は距離を置いている。

登場人物・キャラクター

桐ヶ谷 完 (きりがや かん)

小笠原諸島の環麒島(たまきじま)に住む少年。かつて渋谷で暗躍していた七朗の息子。中学生の頃に両親を亡くし、漁師の祖父と二人で暮らしていた。七朗の身内というだけで周囲から蔑まれた影響で、厭世的(えんせいてき)な性格となり父親に嫌悪感を抱いていた。しかし、偶然助けた秀政との交流や、祖父から明かされた父親の真実を知り、不良に対する見方を改め、自分も筋の通った不良を目指すようになる。幼い頃から身体を鍛えており、並の不良やヤクザを圧倒する身体能力を誇る。また、強い相手との戦いを好むが、その好戦的な姿勢はいつか自分の身を滅ぼすと忠告されたこともある。なお、小笠原を訪れた秀政から『サムライソルジャー』のコミックスを受け取り、現在も不良を学ぶためのバイブルとして愛読している。

望月 タカシ (もちづき たかし)

ヨーヘイのチームに所属する少年。陽気でお調子者な性格で、喧嘩(けんか)の腕前は平均的ながら、親しい人が困っている時には自分の身を顧みずに守ろうとする男気を見せる。完とは気が合い、二人で渋谷アンダーグラウンドに潜入を試みたこともある。学生時代は群馬に住んでおり、その頃親しかった熊沢さゆりをいじめから守れず、彼女が自殺してしまったことにトラウマを抱えている。不良になったのも、いじめの加害者やかつて熊沢を守れなかった自分自身への憎悪が大きな要因となっている。しかし、完やチームの仲間たちと交流を深める中で、「誰一人として例外なく守り抜く」という信念を持つようになり、精神的に大きく成長していく。

書誌情報

最後の不良 10巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉

第3巻

(2022-11-17発行、978-4088924939)

第4巻

(2023-05-19発行、978-4088926902)

第5巻

(2023-11-17発行、978-4088930145)

第6巻

(2024-05-17発行、978-4088932538)

第7巻

(2024-11-19発行、978-4088934600)

第8巻

(2025-05-19発行、978-4088937342)

第9巻

(2025-11-19発行、978-4088940076)

第10巻

(2026-05-19発行、978-4088942162)

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